ビジネス

水上バスに納涼クルーズ 「船」活況はプチバブル的な現象か

 この夏、“水上”に人が集まっている。観光やレジャー、あるいは交通手段として、「船」を利用する人が増えているのだ。東京では、スカイツリーの開業以来、近くの隅田川をめぐる船観光が人気を博している。また、東京をはじめ、大阪、諏訪などで水陸両用バスの運行が始まるなど、これまでにない楽しみ方も登場。暑さと手軽な新しさが、人を水辺に引き寄せているようだ。

 浅草などをめぐり、スカイツリーを船上から眺める水上バス。旅行会社などの観光ルートに組み込まれることも多く、東京都公園協会が運営する東京水辺ラインの乗客数は2012年、過去最高を記録した。今年もその勢いは続いているという。「スカイツリーをはじめ、東京の街並みを船から眺めることが、観光の定番として定着しつつあります」と関係者は語る。

 夜の船も人気だ。7月から約3か月間、毎日運航する東京湾納涼船。東京湾を周遊しながら、美しい夜景と食事を楽しむ約2時間のクルージングだ。昨年は過去最高の13万人を動員。今年も、すでに8月下旬まで予約でいっぱいだという。浴衣着用で割引特典が付くなど、多様なサービスも人気の一つのようだ。

 日の丸自動車興業の水陸両用バスは、すでに大阪などで運行されおり、東京でも今年から運行が始まった。水上用と陸上走行用の2つのエンジンが搭載されており、文字通り、陸と水上の両方を走る。乗車経験者は「アトラクションのようで楽しい」と語る。バスからの景色を楽しむだけではなく、乗ること自体を楽しめると好評だ。

 昨年には成田空港に船着き場が完成した。空港と都内を結ぶ水上タクシー「リムジンボート」は、東京のウオーターフロントを見物しながら都内に向かうとともに、交通渋滞のない交通として注目を集めている。

 船が活況を呈する状況について、「船上という“異空間”が人気を集めています」と語るのは、船井総合研究所の上席コンサルタントである岩崎剛幸氏だ。

「東京に限らず、地方でも、いま船の存在感は増しています。景気が少し上向きになってきて、未体験や非日常への欲求が高まっているんですね。どうせお酒を飲むなら、普通の飲み会ではなく、船の上が楽しそうだと。プチバブル的な現象とも言えますが、ナチュラルでアウトドアな志向性が、かつてのバブルとは違うところです」

 未経験や非日常を求める傾向は、船に限ったことではないと、岩崎氏は指摘する。

「この傾向は、百貨店などの消費傾向にも当てはまります。売り場にバーを置いた新宿伊勢丹の好調が続いているように、多くの人は、モノ自体よりも、驚きや新鮮さを求めて消費をしている。そうした消費者のニーズと、夏という季節、そして船会社のニーズなどが一致して、いま、船に注目が集まっていると考えられます」

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン