「健康」情報が氾濫している。「××さえ食べれば健康」「××だけで痩せられる」といった話を聞けば試し、「いまいち効果がないような……」と首をひねった経験は誰にでもあるのではないか。巷に溢れる健康法の「ウソ・ホント」を検証する。
(1)「加圧トレーニング」の効果とリスク
短時間の少ない負荷で効果が得られると話題の加圧トレーニングは医学博士の佐藤義昭氏が発案したもの。
「筋肉は様々な刺激で大きくなるが、その一つが虚血状態。加圧トレーニングは血流を制限して人工的にそれを生み出し、負荷をかける筋トレ法です。合理的だが、健常人はまずは通常の筋トレを試すべき。重量物を持てない人のリハビリ法としては有効」(同前)
このトレーニングは必ず資格取得者の指導のもとで行なうべきものだという。
(2)「爪もみ」で免疫力アップ?
続いてツボ。爪の付け根を揉むと免疫力が上がるとされる。薬剤師で日本ホリスティックセラピストアカデミー校長の加藤雅俊氏の解説。
「ツボ押しはWHO(世界保健機関)でも361穴についてその健康効果が認められています。中でも指の第一関節には神経が集まっており、ツボが多い。副交感神経を活発にすることで、免疫力を向上させる効果が期待できます」
ただし、経験医学の世界の話であること、即効性はないことに留意が必要である。
(3)「青竹踏み」で血行改善?
足裏全体のツボを刺激することで血の巡りが良くなることは期待できる。とはいえ、「足裏を刺激するには歩くのが一番」(加藤氏)という至極当たり前の指摘もある。
(4)「手に硬貨を貼ってツボを刺激」ってホント?
ツボに1円玉(アルミ)や10円玉(銅)を貼ると金属がイオン化して体の電流を整え、自律神経が整うとする健康法があるが、「金属がイオン化するには熱、水溶液、電磁波の3要素のどれかが必要。硬貨を貼るだけではイオン化はしない」(同前)。心理的作用はあるかもしれないが硬貨の効果ではないよう。
※SAPIO2013年8月号