「この夏売れているのは、『ひんやりドライタオル』や制汗シートなど“局所的に涼を得る”商品です。部屋全体をクーラーでガンガンと冷やすのは今の節電志向に反するので、これは自然な流れだと思います。とりわけ男性用の制汗シートは、このところプラス成長を続けている状況です」
こう解説するのは、商品ジャーナリストとしてテレビや講演で活躍している北村森さん。“局所的”な涼感グッズでは、透明感があり見た目が涼しい岐阜特産の『水うちわ』(住井冨次郎商店。今年の通信販売は終了)も人気だ。
「また、コンビニなどでは、アイスデザート系商品の売れ行きが好調のようです。たとえばローソンの『フローズンスイーツ』という商品は、購入後、電子レンジで温めて、半解凍の状態で食べるという新感覚スイーツ。首都圏で梅雨が明けた直後の6日だけで、猛暑も相まって全国で100万個を売り上げたとのことです」
フローズンスイーツは、1個180~240円とお手ごろ価格なのもヒットの要因だ。
「家庭でも簡単に、果物だけでクリーミーなアイスデザートがつくれるキッチン家電『ヨナナスメーカー』も大人気です。本格的な夏を迎えて、かなり品薄状態のようですね。また、涼感家電の中でも扇風機については、ベンチャー企業であるバルミューダの『グリーンファン2プラス』がおすすめ。風がやわらかく、しかも最弱時は消費電力2Wという節電モデルなんです」
デザインがおしゃれで、技術面でも大手メーカーに先行していたが、昨年、大手各社も節電型で自然な風を売りにした商品を相次いで発売。つまり今年は“値段や機能などから好みの扇風機を選びやすい”状況となっているのだ。
エアコンも同様に、省エネタイプが全盛。多少高くても、電気料金を抑えられるモデルが人気だ。
「消費増税を前に、“買うなら今”というニーズが高まっています」
※女性セブン2013年8月22・29日号