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パクリ論争は「野暮」 宮藤官九郎脚本のスゴさを関係者解説

国民的ドラマ『あまちゃん』の人気は、絶妙な脚本はもちろんのこと、最後までクドカン(宮藤官九郎)が散りばめた小ネタやモチーフにもある。

そこで気になるのは、その元ネタにまつわるパクリ論争。これまでにもさんざんネット界でも、「クドカンはパクリ!」なんて声が飛び交っているし、クドカンが脚本を担当する最新映画『謝罪の王様』を巡っても、元ネタだと言われる『謝男』の作者が怒りをあらわにしたばかり。しかし、この「パクリ論争」、実際のところはどうなのだろう!?

あるテレビ関係者は話す。「クドカンは言ってみればタランティーノ監督のようなクリエイターなんです。パクリではなく、元ネタを上手に再利用することに長けた人物。パクリと切り捨てるのは、野暮と言うものでしょう」。

たしかに、タランティーノ監督と言えば、『レザボアドッグス』では仁義なき戦いから影響を受けたといい、『キルビル』でも『修羅雪姫』をモチーフにするなど(原作者の小池一夫氏に版権料が支払われるまでに発展!)、元ネタからの拝借が目立つ監督でもある。しかし、再利用というのはパクリと何が違うのだろうか!?

「要するに、サンプリングマスターなんです。みなさんはDJを指差して、元ネタを勝手にかけている無法者だと言いますか? DJは既存の曲を自分流につなぎ合わせ、いかにフロアを熱狂させるかが肝です。それと同じで、クドカンの脚本も既存のネタをクドカン流につなぎ合わせて、新しいものとして世に送り出す。落語を題材にした『タイガー&ドラゴン』などは、その最たる例です」(前出・テレビ関係者)

なるほど! 事実、『タイガー&ドラゴン』は、今まで興味のなかった層が、ドラマを機に寄席に行ってみたなんて声も多かったほど。今回の『あまちゃん』にしても、ロケ地観光に訪れている人は急増し、東北の復興に一躍買っているのは間違いない。お茶の間というフロアを熱狂させ、既存にはない新しい風をオリジナルに注ぎ込めるのは、とてつもない才能だ。もはや、単に“パクリ”などという安易な一言で片付けることはできないのかもしれない。

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