ライフ

占い師・新宿の母 「昔は家出、最近の相談で多いのは不倫」

 栗原すみ子さん(82才)は1958年から伊勢丹新宿店の横で街頭占いを始め、“新宿の母”と呼ばれるように。街頭に立ち続けて約55年、占った相談者はのべ350万人以上にものぼる。

 今でこそ多くの人でにぎわうが、当時は人通りも多くはなかった。栗原さんが伊勢丹新宿店横で占いをするようになったのは、55年前のことだ。

「当時この辺りには売春防止法により職を失った売春婦がたくさんいて、みんな悲しい人生や恋に涙を流し、私のところに相談にきていたの。その子たちにご飯を食べさせたりしているうちにみんなが私を“お母さん”って呼ぶようになって…気づいたら“新宿の母”って呼ばれていました」(栗原さん)

 その評判は口コミで広まり、本誌をはじめ女性週刊誌などで取り上げられ、連日長蛇の列ができるようになる。

「昔は売春、家出、近親相姦…本当につらい相談が多かった。私の人生も貧しくてひどかったから、泣いてる娘を見ると放っておけなくてね。ひとりでも多くの女性を救ってあげたかった。占いながら、どうしたら幸せになれるか一緒に考えて背中を押すのが私の役目。“お母さん、心につかえていたものが取れたよ”って笑顔で帰る姿を見ると、本当にうれしくて一日中立っているのも苦痛じゃなかったわ。

 昔の女性は夫に食べさせてもらい我慢を強いられた人生。でも最近は働いて自立した女性が多いせいか、不倫の相談も多いわね。悩みに対してもどこか割り切りがよくて、ドライになっている部分も。でもどんなときも幸せは自分で作るものだから、明るく希望を捨てずに進んでいって。私も命のある限り占いをして、次の人生でもまた“新宿の母”でいたいと思ってるのよ」(栗原さん)

※女性セブン2013年10月24・31日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン