次々に噴出した食品偽装問題。悪質になると食品自体が“まったくの別物”というケースもある。食品添加物評論家の安部司氏がいう。
「フォアグラは本来ガチョウや鴨の肝臓を肥大させたものですが、ニワトリのレバーペーストと脂を固めて作った偽物が出回っています。本物を何度も食べたことがない人には判別できないレベルです。
フカヒレの偽物も巧妙です。海藻から抽出したアルギン酸ナトリウムをカルシウムで凝固させて、細い注射器で出したものが繊維となり、これを束ねるとフカヒレのようになる。よく中華スープとして出されています」
他にも、チョウザメの卵を塩漬けしたキャビアは、トビウオ、タラ、ニシンの卵を塩漬けにし、黒く着色した“コピー”が流通しているという。価格は20分の1にまで下がるというから、飲食店にとっては利益率がすこぶる高い偽装食品といえる。
※週刊ポスト2013年11月22日号