ビジネス

名門ホテル 「原価2割」の忘年会受注で食品偽装の禊を企図

「喉元すぎれば」のことわざではないが、全国で広がるホテルの食品偽装問題も年末の忘年会シーズンを前にかき消されそうな気配である。

 メニューの虚偽表記が明るみになった大手ホテルチェーンの営業担当者が声を潜めていう。

「今年はアベノミクス効果で会社主催の大規模な忘年会予約がたくさん入っています。特に12月13日と20日の金曜日は早くから埋まってしまい、宴会場はどこも空いていない状況です。幸い、誤表記の公表後に大口のキャンセルもなく、企業の財布のヒモは緩いまま。正直ホッとしていますよ」

 一連の問題のきっかけをつくった阪急阪神ホテルズでは宴会予約のキャンセルが相次いだとの報道もあったが、次々と発覚する他ホテルへの影響はさほど大きくなかったということか。

 12月中旬に50人規模の忘年会を予定しているという自動車関連メーカーの社員が語る。

「ウチが予約を入れたホテルも誤表示を公表したので、社内でキャンセルしようかという話にもなりました。でも、今さら他のホテルを探すのも面倒だし、問題が明るみになったことで、逆にしっかりした料理が出てくるだろうと……。そうは言っても伊勢エビは出てこないでしょうけどね(笑い)」

 実は、食品偽装問題を受けての年末。問題が発覚した各ホテルでは、信頼回復への足掛かりになればとバンケット(宴会)の受注に力を入れているという。ホテル評論家の瀧澤信秋氏が語る。

「もちろん禊の意味もあるでしょうが、バンケットはホテル事業の中でも利益率の高い“おいしい部門”なだけに、年末の書き入れ時は客を逃したくないのです。なにせ、いつ来客するか分からないレストランに比べ、規模や必要人員の把握が可能なバンケットは、スタッフも効率的に配することができるので、人件費を抑えることができるのです」

 瀧澤氏によれば、一般的にレストランの原価率は30%程度といわれるが、バンケットは20~25%程度が指標になるという。

 そもそも、個人の国内レジャー客やインバウンド(訪日外国人旅行)の増加もあり、客室稼働率が絶好調のホテル業界。何とかこの勢いを削がずに年末を凌ぎたいのがホテル側の本音だろう。

「2012年1月~6月の東京の主要ホテル平均客室稼働率は77.9%。それが今年同期では83.1%まで上昇しています。バンケットは客室稼働率の上昇に遅れて結果が出るといわれていますし、忘年会と新年会を兼ねて、泊まりがけの宴会需要に応えられるのもホテルならではの魅力。この年末年始は信頼回復の契機とすべく、どこも必死でしょうね」(瀧澤氏)

 もはや名門ホテルの看板が通用しない現在。利用者目線に立ったサービスができているかどうか、厳しく問われる年の瀬には違いない。

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン