国際情報

贅沢禁止に励む中国 「公費浪費罪」の制定を求める調査出る

 はびこる腐敗を防ぐため新政権が打ち出した方針は一定の成果をあげつつあるかのように見える。だが、中国の情勢に詳しいジャーナリスト・富坂聰はこう疑問を呈する。

 * * *
 習近平体制になって大きく打ち出された政策の一つに「贅沢禁止令」がある。各地の紀律検査委員会の下に設けられた巡視隊のメンバーが目を光らせ今年だけでも多くの党・政府の幹部が処分を受けた。その成果は年末になって国務院が実名とともに「十大成果」として公表したほどである。

 こうした情勢を受けてか、いま中国でにわかに盛り上がってきているのが、「公費浪費罪」とも言うべき法律を制定すべきか否かについての議論だ。

 もちろん“議論”といっても日本のように国民を巻き込んで論戦が沸騰するようなことはない。その中心となるのは常にメディアである。

 今回、注目すべき記事を掲載したのは『中国青年報』である。『中国青年報』は反日デモで盛り上がる中国で、反日に熱狂する人々に対し<愛国と『害国』は紙一重。理性が両者の境界線だ>という記事を掲載して暴徒化するデモ隊に冷や水を浴びせかけた勇気のあるメディアとしても知られている。

 その『中国青年報』が今回行ったのが、「公費浪費罪を制定すべきか否か」について行ったアンケートである。対象は9万170人で、ネットを通じて行った調査だった。

 結果は、97.8%が制定を支持する回答であった。

 まあ、当然と言えば当然であるが、なかでも国民がとくに神経を尖らせているのが、公費による接待で33.8%、第2位が20.7%、続く3位には公費による出張でのぜい沢であった。

 第1位の公費接待では、日本の機密費のように中身を秘匿している点についても不満が強いことが明らかになった。

 記事によれば、この「公費浪費罪」は2009年にすでに全人代(全国人民代表大会)で提案されたのだが、このときは中央紀律検査委員会の審査を経て、「いまはまだ成熟していない」という理由で見送られたという。『中国青年報』の記事は、いまこそそれをやる時期だという主張のためだ。

 それにしても「公費浪費罪」がいまだにないというのであれば、今年捕まった官僚たちは、いったい何の罪で裁かれたのだろうか。

関連キーワード

トピックス

真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
優勝11回を果たした曙太郎さん(時事通信フォト)
故・曙太郎さん 史上初の外国出身横綱が角界を去った真相 「結婚で生じた後援会との亀裂」と「“高砂”襲名案への猛反対」
週刊ポスト
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン