「新型出生前診断」は、血液採取で胎児の染色体異常を調べられる検査として話題となった。検査を受けたのは約3500人。そのうち、染色体に異常があると診断された56人中、53人が中絶を選んだ。では出生前診断について世の人はどう思っているのか? 今回8人の意見を紹介する。
「『高齢』になると周囲の風当たりを強く感じる。あれこれ考える前に、まず出生前診断を受けたくなるのは当然だと思う」(43才・自営)
「出生前診断で陽性だったら、経済的な不安も生じると思う。宿った命を大切にしたい気持ちは当然あるのだけれど…」(40才・自営)
「私には長女がいますが、第2子誕生前に『異常あり』と診断されたら、長女がどんな気持ちを持つことになるのか不安」(35才・金融)
「子供に障害があることが出産前にわかったとしたら、『自分が先に死ねない』と考えただけで重い気持ちになる」(29才・パート)
「『染色体異常』という言葉を出産前に聞かされたら、私には産み育てる自信がありません。だから、検査は受けません」(36才・主婦)
「母親を乳がんで亡くしたアンジェリーナ・ジョリーが、予防的に乳房を切除したと聞いて驚いた。いずれは、自分の遺伝子情報を知ることで自分がかかりそうな病気を知る時代がくるんだろうなと思った。
予防や心の準備ができるから、遺伝子情報を知ることには賛成だけど、こと出生前診断に関しては、私は反対です。陽性と知ったら、『中絶』という選択肢が必ず生じるだろうし、そこでどんな結論に至っても、自分も周りも苦しみ抜くだろうと思うからです」(41才・看護師)
「『陽性で中絶』という決断は仕方ないと思う。迷いに迷うけど、自分もきっとそうすると思う」(29才・主婦)
「医学・科学の進歩も大事だけど、人の気持ちがそれについていかないならば、思い切って立ち止まる勇気も必要だ」(44才・公務員)
※女性セブン2014年1月9・16日号