そろそろ確定申告の季節。サラリーマンは年末調整があるから、何もしなくてOKと思っている人も多いかもしれないが、仕事のために自己負担した支出について、会社が「必要な経費=特定支出」と認めれば、一定額を超えた金額を給与所得控除に加算できる。
給与所得が減れば所得税額が減るので、減額分に対する税金が戻ってくる。特定支出の対象となるのは、通勤費、転居費、研修費、資格取得費、帰宅旅費、勤務必要経費(図書費、衣服費、交際費)。
「ただし、その支出が仕事のために必要だったという会社の証明書が必要です。どこまで認められるかは職種や業種によっても違います」(税理士・日置亮さん)
通勤費であれば、電車、バスなど、通勤のために必要な公共交通機関の料金。マイカー通勤者の場合は、ガソリン代、高速料金なども控除の対象となる。しかし、グリーン車の料金や通勤に使っている自転車の購入代金は、対象とならない。
たとえば、経理の人が税理士の資格を取得したり、英語を使う営業マンが英会話学校に行ったりなど、今の仕事に役立つ資格の取得やスキルアップのための費用も、必要経費となる。ただ、経理の人が英語を習ったり、営業の人が弁護士資格の勉強をするなど、自分のスキルアップや転職が目的の場合は、経費とはならない。
また、仕事に関連する書籍や定期刊行物、業界紙などを購入するための費用(図書費)は経費となるが、スポーツ新聞や雑誌などを購入するための費用については、営業トークのためであっても、認められるのは難しい。
制服、事務服など、着用することが必要とされる衣服を購入するための費用も経費となる。スーツやネクタイも、着用が慣行になっているのであればOK。しかし、仕事とは関係ないところで着用するスーツや私服を購入するための費用はもちろんNG。常識の範囲から外れるブランドもののスーツも認められない。
交際費については、会社の得意先、仕入れ先、職務上関係のある人への接待、お中元やお歳暮などの贈答のための費用は経費となるが、会社の同僚との親睦会やご祝儀、お香典など慶弔のための費用は経費とならない。
※女性セブン2014年2月27日号