ビジネス

焼肉店が「赤身ロース」や「ヘルシーロース」と表記する背景

 焼肉といえば、「カルビ」や「ロース」がもっとも好まれるが、それらの名称は肉の部位ではなく「メニュー名」。定義はかなり曖昧だ。

 ロースは本来、肩から腰にかけての「肩ロース」「リブロース」などを指すが、日本では「ロース=赤身」という考えのもと、値段の安い「もも肉」もロースと表記される慣習がある。

 2010年には消費者庁が景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして業界団体に改善を要請した。

 それを受けて全国焼肉協会が行なったアンケートの結果によると「もも肉」を「赤身ロース」「ヘルシーロース」、「ランプ(腰から尻にかけての肉)」を「赤身ロース」と表示している焼肉店があった。

「表記問題は業界団体が『ロースの表記はそのままで、メニューに〈この肉はもも肉を使用〉と付記すればいい』と周知することで決着しました。ただ、大手チェーン店ではそうした表記があるが、個人経営の店ではこれまで通りロースとしか書いていない場合があります」(食品問題に詳しいジャーナリスト・郡司和夫氏)

 カルビも韓国語で「あばら」の意味だから本来は「ばら肉(かたばら、ともばら)」のはずだが、これも前述のアンケートで「肩ロース」を「和牛上カルビ」「特選和牛カルビ」といったメニュー名にしていると回答した店があった。

 要は「脂身の多い肉」という程度の使用法なのだ。

■文/鵜飼克郎(ジャーナリスト)

※SAPIO2014年3月号

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン