数年前から唐揚げやポップコーンだけを扱う専門店がブームになっているが、最近はさらにバリエーションが広がり、フレンチフライ、ポテトサラダ、フレンチトーストなど、こんなものまで!? と思ってしまうような、ユニークな“ワンメニュー”の専門店が続々と登場している。
「メニューを絞り込むことで材料費や人件費、場所代などコストをカットできるので、専門店は非常に効率がいいんです。味のバリエーションを出すことで、リピーターを呼び込むことも可能です」
とは、レストランジャーナリストの犬養裕美子さん。
一方、客が専門店に求めるのは味と値段。それに納得できるか、シビアに判断する。
「“専門店だからおいしい、専門店だから素材にこだわっている”と期待していますから、味と値段の両方に納得できなければそれっきり。新店舗が続々と誕生する中で、今の消費者は妥協してくれません」(犬養さん)
グラフィックデザイナーだった店長の上野友和さんが、「ポテトサラダが好きだから」と、昨年12月にオープンしたポテトサラダの専門店『Potato Cream』(東京・目黒区)もワンメニューの専門店。
なめらかな舌触りのマッシュポテトに野菜たっぷりのソースをかけたサラダは、今まで体験したことのないクリーミーな食感が特徴。バゲットとセットでランチに食べる人もいれば、小腹がすいたときにおやつ感覚で食べる人もいて、小さな店内は常に満員だ。土日は15時くらいに売り切れてしまうこともある。
『納豆工房せんだい屋 池尻大橋店』(東京・世田谷区)は、山梨、長野、北海道産の大豆を使い、大豆本来の風味と色にこだわって作った納豆が全29種類。さらに店頭には24時間営業の自動販売機まである。メニューでは納豆食べ放題定食が人気で、過去には34パックも食べた人がいるとか。
「納豆ペーストを練り込んだ『ベイクドなっとうドーナツ』はお土産にも人気です」(店長・長塚悟史さん)
※女性セブン2014年4月3日号