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ダジャレ好き一家 口喧嘩やその仲裁もダジャレ使う徹底ぶり

 夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回は寄せられたのは、ご主人(37歳)が商社勤務の奥様(39歳)。ご主人の実家でご両親と同居です。

 * * *
 最初はカード会社勤務のご主人(47歳)。両親を誘い、奥様(49歳)と4人でお花見に行きました。僕の親父は俳句が趣味で、桜の木の下でほろ酔い気分になると「ちょっと一句、ひねってみるかな」。すると、ダジャレ好きの女房が酔った勢いで、「(松尾)芭蕉が場所取り」。親父も「句をひねる前にそう来たか!(正岡)子規がゴザを敷き」と応戦。ここからダジャレ合戦になってしまいました。

 先攻は親父で「宴会で、酔っ払ってもえ~んかい」。負けじと女房の「大酒飲みのお義父さんって、酒豪~い」「今年の桜は今までで一番多いんじゃないか。桜、最多(咲いた)」。すかさず、女房の「桜の花を謳歌(桜花)しよう」「やるなぁ、M美さん」「お義父さんも、なかなかですねぇ」。

 お互いを褒め合っているうちはよかったんですが、段々とヒートアップ。すぐに返され、イラついてきた親父が、桜とは関係のないダジャレを。女房のお腹を指差して「出不精な嫁は体もデブ性」。女房も親父を指差し、「怪我(毛が)ないお義父さんは明るくていいわね」。「く、くそ~っ!」と歯ぎしりした親父、「ブスな嫁は夫の出世の芽をつぶす」「何ですって!」。もう、罵詈雑言のダジャレ合戦に。

「すごいなぁ」と思ったのはおふくろです。2人の間にサッと割り込み、「オチがつかないから落ち着かないのよ。私がつけるね。2人とも、さっさとオーチ(お家)に帰りましょ」。思わず、遠山の金さんが背中の桜吹雪を見せてのセリフ、「これにて一件落着!」のシーンが浮かんだ僕でした。

※週刊ポスト2014年4月4・11日号

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