国内外問わずアニメやゲームの「コスプレ」が人気だ。なかには、コスプレ専門雑誌のモデルを務める、いわば「プロ」のコスプレイヤーも登場している。そんな中、コスプレイヤーの中でも難易度が高いと言われているのが『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ(集英社刊)のコスプレだという。
昨年10月には資生堂が『ジョジョ』を題材にしたヘア・メーキャップ作品を発表、登場キャラクターを完全再現して大きな話題を呼んだが、そのクオリティの高さは市井のコスプレイヤーにとっては高嶺の花だったようだ。コスプレ歴8年のアカリさん(28歳・会社員)は次のように話す。
「ジョジョのコスプレは好きなキャラほど難しいという印象があります。マンガの中でもアート色が強い作品なので、その世界観を壊さないようにしないと、と考えると高いクオリティが求められるじゃないですか。
さらに、ぴっちりと身体の線がでる衣装のキャラクターが多いので身体をしぼらないといけないんですよね。それでも、(空条)承太郎みたいに背が高いキャラだと、どれだけ頑張っても女の子がコスプレするには無理が出てきます。
衣装を作るのも難しい。たとえば、ジョルノ(・ジョバァーナ)のコスプレをするときは、金髪を巻き込むカツラを自作するのが、本当に大変なんです。自作でやろうとすると結構費用がかかるので、仲間たちと綿密に打合せしてから担当するキャラを決めたり、撮影場所を決めたりしています」(アカリさん)
また別のコスプレイヤーのマロンさん(24歳・看護士)も、『ジョジョ』コスプレは難易度が高いと話す。
「ジョジョは『合わせ』(※コスプレ仲間で集まり、同じ作品のキャラクターのコスプレを披露したり撮影会を行なったりすること)が難しいですね。レベルが高い仲間を集めるのが大変だから、レイヤー(※コスプレイヤー)さんの人脈が必要なんです。
でも、ある人と自分が仲良くても、別のレイヤーさんがその人を嫌いだと一緒に合わせづらいことも多い。そうすると、合わせの企画が流れちゃうこともあるんですよね。男性キャラクターをかっこよく演じられる人って、スタイルが良くて顔が整っている必要があるんですよ。ジョジョはやっぱり男性キャラが人気なので、そういう仲間で集まるのは結構難しいですね」(マロンさん)
人気の高い作品だからといって、コスプレ人気も高いというわけではない。コスプレイヤーにとっても、コスプレしやすい作品としづらい作品があるようだ。