国内

看護師業界の離職率に関係者悩み外国人導入の必要性を訴える

「うちの病院は毎年20~30名ほど看護師を採用しますが、同じ年に10~20名くらいが辞めていく。離職率だけを見れば、看護師の世界はまるでブラック企業ですよ。春先に毎年多くの看護師が退職していくのは、もはや風物詩ですね」

そうため息混じりに話すのは、都内某病院の事務スタッフ。手厚い体制が敷かれている私立病院などは別かもしれないが、縦割りの体制が当たり前の国立病院・公立病院では、看護師の離職率は軒並み高いという。

慢性的な人手不足によってもたらされるオーバーワークや労働環境はもちろんのこと、公務員が院内を仕切るためお役所的な風通しの悪さがあったり、院内の派閥争いに辟易して辞めていく者も多いのだとか。

「1年もたない看護師もいますけど、3~5年目に辞めてしまう看護師が意外に多い。というのも、前述したように退職する看護師が多いので、そのしわ寄せが残った看護師に向かってしまう。例えば、馬車馬のように必死に働く期間が終わり、ようやく余裕が出てくる3年目あたり。

本来であれば一息つける段階なのですが、新人を育てることのできる看護師の人材不足もあって、今度は基本業務に加えて育成の面倒まで見なくてはいけなくなる。するとそれに耐えかねて辞めてしまう・・・新人の看護師を育てることができないと、回りまわってその後の離職率も高めてしまう悪循環につながるんです」(前出・医療スタッフ)

労働環境を良くすることが、なによりの処方箋なのだろうが、なかなかそうはいかないのが現状だ。加えて、離職率を高める大きな要因としてこんな理由があるという。

「看護師というのは“濡れ手に粟”なんです。辞めても、比較的再就職しやすい。普通であれば、再就職をするというのはとても負荷のかかること。ですが、高齢化社会になりつつある日本では、多くの病院が慢性的な看護師不足に悩まされている。特に地方になればなるほど不足しているでしょう。日本という大きなくくりで考えたときに、退職する人の数よりも、採用募集数のほうが上回りがちなんです」(前出・医療スタッフ)

なるほど確かに、若手時代にプライベートの時間を犠牲にしてまで働きたくない、数年休んでまた働けばいいや…と考えてしまう人が増えてしまうのも納得だ。

「看護師だけでなく、病院全体として考えていくべき問題。仕組みを変えていかないと、病院も人材も育っていかない。危機感を持つために、やはり私は外国人スタッフの導入をもっと推進していくべきだと思います。うかうかしていたら、働き口がなくなるという意識がないことには、退職と再雇用の繰り返し。劇薬になるかもしれませんが、意識を変えるためには必要なことだと思いますね」(前出・医療スタッフ)

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン