夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回は寄せられたのは、建設会社勤務のご主人(41歳)。奥様(38歳)が、窓にすだれを付け始めた件についてです。
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「カーテンは帯びた熱を室内に発するけど、すだれやよしずは室外に設置するから余計な熱が入らないし、断熱効果が高まり、節電になるのよ」
妻がいうには、カーテンは網戸を塞いだりして換気を妨げるが、すだれは風通しが抜群とのこと。「目隠し効果もあるのよ。レースのカーテンに比べ、中からは外がよく見えるのに、外からはほとんど見えないんだから」。なるほど! 暑がりですぐ上半身裸になる僕にはピッタリです。
僕の好反応に気を良くした妻は、家じゅうの窓をすだれだらけに改造。その結果、日中は外の光が差し込んで電気をつけなくても明るかった家の中が、一気に暗くなってしまいました。そのせいか、妻がやけに厚化粧に……。今ではその厚化粧が基本になってしまい、先日妻がスッピンで近所を歩いてたら、誰にも気づかれなかったそうです。
僕が「もうアラフォーなんだから、そのすだれのような付けまつ毛を取った方がいいよ」というと、「41歳にして、すだれ頭のアナタにいわれたくないわ」。……夫婦間の風通しがすっかり悪くなった我が家です。
※週刊ポスト2014年6月20日号