国際情報

香港マフィアのボス選挙 最大組織の抗争を懸念し延期される

 香港マフィア組織全体の会長(ボス)を決める選挙が当分延期になりそうな見通しであることが分かった。本来ならば4月に行なわれているはずだが、香港マフィアのなかでも最も構成員が多い和安楽(水房)という組織の有力幹部が現在、服役中のためだからだという。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が独自情報として報じた。

 香港マフィアの会長を務めた有力組織のボスが秘密裏に集まって協議した結果、選挙の延期が決まったという。香港マフィアというと、映画などでは非情、冷酷で世間の常識が通じないとのイメージが強いが、選挙を行なうというのは意外だ。

 香港マフィア組織の会長は任期2年。香港に存在する数十のマフィア組織のボスが集まって投票する。しかし、この世界では暴力がつきもので、いったんは選挙で決まったものの、選挙結果が受けいれられないボスが、組織に命じて、会長を殺害するなど組織間の抗争に発展し、収拾が付かない状態になったこともある。

 今回の選挙は本来ならば4月に実施される予定だったが、構成員が数万人と香港で最大のマフィア組織である和安楽の有力幹部が服役中で、和安楽には他の有力候補もいるものの、組織の決定として、会長候補を一人に絞り込めない状況だという。

 このまま、その有力幹部が服役中に、他の幹部が会長候補になれば、和安楽自体の内部抗争に発展する可能性が強い。このため、有力組織のボスが秘密裏に集まり、香港マフィア全体の総意として、選挙は延期となった。この有力候補が出獄するのは10か月先の来年3月ごろになりそうで、選挙はそれ以降に行なわれる予定だ。

 香港警察はマフィアの内部に潜入捜査員を送り込んでおり、マフィア組織撲滅のため、有力幹部の刑期延長も視野に入れて、他の犯罪にも絡んでいないか調べる方針だという。

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