綾小路きみまろが、爆笑夫婦ネタを五・七・五の川柳にまとめた新刊が発売された。ありそうでなかった川柳+ライブの決定版、題して『きみまろ「夫婦川柳」傑作選』。その中に収録されている「緊縮家計」編の傑作を紹介しよう。
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「妻エステ オレはゴルフだ 『Wii』だけど…」
あるアンケートによると、定年後のサラリーマンが極めたい趣味の1位は「旅行」で、「ゴルフ」は3位だとか。ゴルフ場の料金は土・日が高く、サラリーマンにはかなりの負担。「定年後は安い平日に行けるから」というのが理由のようです。
休日、奥様はエステに出かけ、ご主人はテレビゲームで出てしまったホールインワン! 月曜日、出社すると黙っていられず、「ゴルフでホールインワンが出ちゃったよ!」。部下に自慢です。「課長、ホールインワンが出ると、皆に記念品を贈ったり、食事をご馳走したりするんですよね?」「エッ、そうなの?」「ゴチになりま~す!」。なけなしのお小遣いが、部下への奢りで消えていくご主人なのです。
「分け前を 妻子が決める 退職金」
「退職金が出たら、どう使おうか? 女房と豪華な旅行に行くのもいいなぁ」。50歳を過ぎてからはそんなことを色々と空想するご主人です。あくまでも「どう使うか?」の主導権は自分のつもりでした。
ところが、奥様にポロリと話すと「使いみち? それはもう、私と娘たちで考えてるから大丈夫」「大丈夫って、オレの退職金だぞ!」。喉まで出かかってるその言葉を飲み込むご主人。「オ、オレの退職金が……」。大ショック(退職)です。でもここは我慢。お金のことになると、女性はおっかねぇ存在なのです。
※週刊ポスト2014年7月4日号