東京見物の定番として知られる「はとバス」だが、最近では「怪談ツアー」「無人島ツアー」「ホストクラブツアー」など、個性的なプランが続々登場している。
そんな斬新なアイディアはどんなふうに生まれてくるのか。はとバス・定期観光部副部長を務める江沢伸一さんにその舞台裏を聞いてみた。
「企画は4人が担当しています。20代が1人、30代が2人、そして40代のぼく。全員男性ですが、シンデレラツアーなど女性の視点が必要な場合には女性社員の意見を参考にします」(江沢さん)
レギュラーカタログは春夏秋冬と年4回発行。1回につき10日間ほど会議を開いて、ラインナップを決めるという。「東京の面白さ」を伝えるために日々改良を惜しまない。
たとえば『講釈師と行く夜の怪談クルーズツアー』はもともとクルーズはついておらず、怪談スポットを回るだけだった。
「あるとき『日本橋のたもとにはかつて処刑場があった』ということを知りました。これは怪談ツアーをもっと怖くすることができる、とひらめいたんです。日本橋をスタートに船を出したらどうか、と。船の上は暗くて怖い。船の上でゆらゆらして、『何か向こうにいた?』というような恐怖が味わえます」(江沢さん)
ヒットのためにはネーミングも大切で、「ひねりが必要」と江沢さんは言う。
「『ヨコよこストーリー』(9600円)は、なんのことはない、横浜と横須賀に行くコースなんですが、すごく売れてます。カタカナとひらがなを組み合わせたコースはヒットする確率が高い。ズバリそのままコースを表したようなツアー名ではなく、『えっ、なに?』と思わせることが重要です」(江沢さん)
※女性セブン2014年7月31日・8月7日号