共働き世帯が増え、団塊世代が会社をリタイアし、“家事デビュー”する夫が増えている。60代以上の約6割が退職後の家事の分担が増えたというが、この傾向は新たな“家庭内紛争”を引き起こしている。その半数以上が妻から「家事ハラ」を受けているというのだ。
「ゴミ捨ては僕の担当。いつもちゃんとやっているよ」と胸を張る夫は多いが、そんな態度が妻を刺激してしまう。
「先日、玄関にゴミ袋が置いてあったので、捨てに行った。妻に『ゴミ捨てやっといたよ』と伝えると、『ゴミ捨てって、それぞれの部屋からゴミを集めるのに一番時間がかかるの。新しいゴミ袋をゴミ箱にかけたり。玄関に置いてあるゴミ袋を捨てただけでいちいちアピールしないで』と嫌味を言われた」(63歳・元会社員)
また、こんなケースもある。
「近所の人に『毎日、ゴミ捨て大変ですね』と声をかけられた。私は『いや~。確かに会社勤めの時の方が楽ですけどね(笑い)』と答えたが、玄関前を掃いていた妻が家に入るなり、『ほんっと、大変な家事をしてくれて、どうもありがとう』と怒り口調。
さらに愛犬に向かって、『ゴミ捨てより簡単な仕事をしてたなら、もう一度働きに出て稼いでくればいいのにねェ』と、聞こえよがしに話しかけている。ちょっとした世間話をしてただけだろ」(65歳・元会社員)
これに対して、“文句を言っているわけではない”というのは妻たちだ。
「やってくれるのは嬉しい。でもそれだけで家事をしていると威張るなら、いっそやらないで」(63歳・主婦)
「嫌味を言いたくなるのは、他に全然家事をしていないから。家事を分担している夫はゴミ捨てをしてきたなんてわざわざ言いませんから」(45歳・会社員)
※週刊ポスト2014年8月15・22日号