「私たちとのセックスを仕事のための贈り物にしないで」。このような刺激的なメッセージとともに、Tシャツとパンティ姿の4人の女性の写真が中国版ツィッター「微薄(ウェイボ)」に投稿され、大きな話題を呼んでいる。女性の太ももには赤いマジックで「非贈品」と生々しく書かれている。
中国では女性社員が仕事の接待の場で、取引先との性交渉を強要されることが往々にしてあり、このような風潮に抗議したものだ。米紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じた。
このメッセージと写真は広東省の女性人権団体が投稿した書き込みで、会員は中国全土に100人以上いるが、まだ団体の正式名称はないという。
団体の代表者によると、このような書き込みをしたのは今年6月、重慶市の国有企業に勤務する20歳の女性従業員が暴行を受けて死亡した事件がきっかけだという。
女性は上司に誘われて、取引先との接待の場に参加。泥酔した女性は宴会後、取引先の男から暴行を受け、抵抗した際に、頭などを強く打ち死亡したという。
中国では同じようなケースとして、2011年に中学校の女性教師が校長に誘われて宴会に出席、その後、地元の政府職員から暴行を受け死亡する事件があった。
仕事上の接待ではないが、昨年5月には海南省や河南省の小学校で教師が多数の女子児童に性的な暴力を振るっていた事件が起こり、その後、安徽省や広東省、山東省、湖南省など全国各地の学校で同じような事件が発生していることが明るみに出ている。
企業に勤務する女性社員の場合、上司からの接待の誘いを断れば、その後の職場環境がぎくしゃくし、最終的に仕事を失う可能性も高いことから、女性が上司の誘いを断るのは勇気がいるのは間違いない。
同紙は「中国の場合、女性を接待の道具とみる風潮が残っており、特に企業の男性幹部は仕事を成功させるために、女性社員を連れて行くことが多いのではないか」との専門家の声を紹介している。
この記事に対する書き込みでは「彼女たちのメッセージは(女性の権利向上のためには)極めて有効だ」との肯定的なものと、「女性の権利向上のために、Tシャツとパンティ姿をさらすのが正しいことなのか疑わしい。『私たちとのセックスを仕事のための贈り物にしないで』というメッセージとは裏腹に、読者に性的なメッセージを送ることになっている」との否定的なコメントに二分されている。いずれにしても、極めて刺激なメッセージであることだけは確かなようだ。