現在、全国に約10万軒あるといわれるスナック。その定義は決まっていないが、スナック好きの漫画家・東陽片岡さんはこう説明する。
「男性マスターだけのお店もありますが、基本的にママといわれる女性がカウンター越しに接客して、お酒と簡単なおつまみ(スナック)を出してくれる飲食店です」
あらかじめ「セット料金」が設定されている店がほとんどで、だいたい2時間5000~7000円で、ウイスキーか焼酎が飲み放題。安い店ならば2000円程度で時間無制限で閉店まで飲めるという。
そもそもスナックという形態の店ができたのは、1960年代。1964年に風営法が強化され、クラブやキャバレーは深夜12時過ぎの営業が不可能になった。その代わりに誕生した飲食店がスナックだ。
それから50年、年々その数は減っているが、今日も全国のあちこちのスナックで、中年男性が水割りの入ったグラスを傾けながら、ママに愚痴をこぼしている。
100軒以上の店を飲み歩き、趣味が高じて、現在スナックのマスターをしている漫画家の東陽片岡さんに素朴な質問に答えてもらった。
●お客はどんな人が多い? 女性客はいるの?(40代主婦)
お客の大半は、定年退職後に時間を持て余している地元の中年男性です。
もし、ご主人が定年して、ひとり寂しく家に引きこもっていたら、地元のスナックに通わせましょう。同じ境遇のお客さんばかりなので、すぐに友達ができます(笑い)。私は新宿のスナックでマスターをしていますが、女性客も来ますよ。60代以降が多いですね。
●ママといい仲にならないの?(50代パート)
まずあり得ません。私の見立てでは、お客の8割はママに恋心を持っていますが、デュエットで腰に手を回すまでが精いっぱい。それ以上の関係はママが必ず断りますから。しかも、うまくやさしく色っぽく。
ママとどうにもならないとわかっているのに、店に通ってしまうのが男の性。ご主人がスナックに通っている限り、浮気の心配はありません。
●一度行ってみたいけど、注意点はあるの?(40代主婦)
スナックには、店ごとの雰囲気があり、それを壊さないことが大切です。
カラオケのリモコンの履歴一覧を見れば、それがわかるので必ず見ましょう。例えば、1970年代の歌謡曲ばかりだったら、それに合った歌を選ぶ。
店が自分と合わなかったら、1時間程度で帰って、後日、別の店を探索する。自分に合ったお店探しは、スナック遊びの醍醐味のひとつです。また、ビールは別料金ということをお忘れなく。飲んでも最初の1杯だけにしましょう。
※女性セブン2014年9月18日号