ビジネス

ミニスカ、肩パッド、パンタロン 2大航空会社CA制服の変遷

 日本の空をリードしてきた航空会社といえば、日本航空と全日空の2大キャリア。互いに激しいライバル争いを繰り広げてきた両社は、CA(キャビン・アテンダント)の制服ひとつをとっても美を競ってきた。両社の制服の変遷を見てみよう。

 1951年8月、JALは戦後初の国内定期便(羽田-大阪-福岡)就航を前に、新聞紙上で「エアガール」の第1期生を公募。15人の女性が「戦後初のスチュワーデス」となった(戦前は1931年に東京航空輸送社が採用していた)。

 一方のANA(前身の日ペリ航空)では1955年に6人を採用。現在は有名デザイナーが手がけるのが当たり前だが、当時は社員が米空軍の婦人服をモデルにデザインしていた。以来、CA制服の移り変わりには時代の様相が色濃く反映された。

 興味深いことに、JALでは高度経済成長の歩みとともにスカート丈が徐々に短くなっていく。初代制服のひざ下15センチに始まり、大阪万博が開催された1970年7月導入の森氏デザイン「ミニスカ制服」(5代目)でひざ上8センチの“ピーク”を迎えた。同社のシンボルとして長く親しまれたが、オイルショックを経た1977年に導入された6代目以降はスカートはひざ下丈に。

 ANAでも4代目でひざ上7センチのスカート丈が採用された。JALよりも4か月早い導入だったため、こちらが日本の「元祖ミニスカ制服」とされる。同社でもオイルショック後はイメージをガラリと変えて、パンタロンスーツが採用された。

 1980年代後半のバブル期に入ると流行に合わせてダブルの肩パッド入りスーツが導入される。JALでは制帽を被ると女性将校のように見えることから「ミリタリー調制服(1988年~、7代目)」とも呼ばれた。バブル崩壊後になると制帽が廃止(JAL 1996年、ANA 1998年)されるなど制服にも合理化の波が押し寄せたのか、シンプルなスタイルが取り入れられていく。

 JALでは昨年6月から10代目となる新制服を導入。「新生JAL」をコンセプトに再びコーポレートカラーの赤が取り入れられ、ファンの間では「堀ちえみが着るなどした1970~80年代の制服のテイストが復活した」と話題になった。

 ANAは10代目となる新制服を今冬導入予定。史上初めて外国人デザイナーを起用。グレーを基調に、コーポレートカラーのブルーラインがアクセントで配置される。成長期の姿に立ち返るJALと新たな試みを導入するANA。日本の空を両社はこれからどう彩っていくのか。

※週刊ポスト2014年10月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン