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美智子さまの母が語った「幼少期の美智子さまと戦争の苦しみ」

 10月20日に80才、傘寿をお迎えになる皇后・美智子さま。女性セブン増刊『皇后美智子さまの来し方 皇太子妃雅子さまの明日』(小学館)には、美智子さまの母・正田冨美さん(故人。のちに富美子と改名)の40年以上前の独占インタビューが再録されている。

 戦時下においては、冨美さんは疎開先の軽井沢で、多い時には17人もの食事の支度をするなどの苦労もしていた。そして終戦当時、美智子さまは10歳で小学5年生。幼少期の美智子さまについて、母親の貴重な証言を一部紹介する。

――妃殿下(インタビュー当時は皇太子妃)もお手伝いになりましたか。

「手伝いどころか、あのころは、小学生でさえ学校の割当てのげんのしょうこ(※注:薬草のひとつ)摘りがありました。私たちも手伝って、やっと目標の目方に達して、学校に出したことをおぼえてますわ。リュックに入れて、下駄はいて……」

――妃殿下も、戦争の苦しみを、いろいろとご存じですね。

「戦後も、鉄道のゼネスト騒ぎがありましたね。だから、女の子が線路伝いに歩いて帰ってきたりして、ずいぶん心配しました。それに、国電がひどい混雑だったの。ソロバンや傘を持ってると、それがひっかかって降りられない。だから、電車の中にソロバン置いてきちゃった、なんてよくありました。

 そこで、中学へすすむとき、(雙葉学園から)歩いて通える聖心へ移したんです。あの当時は、私立から私立への転校は、たいへんやかましかったの。それでも、校長先生によく事情を説明して気持ちよく了解していただきました。子どもの教育という大事なことは、親が一生懸命心配していれば、それが、あまり的はずれなことでなければ、子どももそれを感じると思いますね」

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