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中国建国記念日で使用の鳩にインフル検査 報われぬ仕事扱い

 中国・北京市中心部の天安門広場では建国65周年の国慶節(建国記念日)に当たる10月1日午前6時の国旗掲揚式典後、2500羽のハトが空に放された。実は、これらのハトが鳥インフルエンザにかかっていないかどうか、1羽ずつ肛門などを事前に丹念に調べられていたことが分かった。

 この式典には習近平国家主席ら中国共産党の最高指導者が勢ぞろいするためで、鳥インフルエンザにかかったハトが指導者に病原菌をうつす危険性を懸念したという。

 香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」によると、中国では国慶節は7月1日の共産党創設日と並んで、最も重要な記念日だけに、式典を準備する裏方は非常に気を遣うという。

 式典の実施に責任をもつ党中央弁公庁の職員は北京市内の飼育業者からハトを購入。その予算は1羽、4元(約70円)で安いため、2500羽ものハトを集めるのは容易ではない。

 さらに、業者は鳥インフルエンザにかかっていないことを確認するため、肛門や両翼の裏側、脚などを丹念に調べることが要求されるため、例年、ハト集めは難しくなっている。これらの作業確認で担当者は毎年徹夜は当たり前だ。

 これらのハトは式典前日には市内の月壇体育館に集められ、当日の早朝、籠に入れられて車で運ばれが、ハトは少しの震動でもめまいを起こしてしまう習性があると言われており、車で運ぶ際も時速10km程度の低速運転をしなければならず、細かい注意を強いられるという。

 これだけ気を遣っても、セレモニーにおけるハトの出番はわずか20~30秒で、あっという間に飛んで行ってしまうため、「苦労し、気を遣う割には報われない仕事」といわれ、党中央弁公庁では毎年、ハトを集める担当のなり手がおらず、くじ引きで選ばれるという。

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