石垣が雲の上に浮かぶように見えるため「天空の城」と呼ばれている兵庫・朝来市の竹田城跡。以前まで観光客数が年間2万人程度というマニア向けの城も、ここ数年メディアに取り上げられるようになり観光客が急増。昨年度は50万人を突破した。
しかし、いつも「天空の城」が見られるわけではない。昨年の雲海の発生率はわずか8%。自然現象である雲海の発生は事前に予測できるのか? 山岳気象予報のエキスパートである「ヤマテン」の猪熊隆之さんは、こう説明する。
「雲海が発生するには、気温が上空ほど高くなる“逆転層”ができなければいけません。これは通常とは逆に上空ほど気温が上がる現象で、空気が安定するため雲が低い位置で滞留するのです。条件としては、まず高気圧に覆われた晴れの日の早朝、逆転層を安定させるために風がなく、ある程度冷え込むこと、そして雲を発生させるための湿度も必要です。前日の夕方頃まで雨で当日は晴れ、という日がベストでしょう」
これらの条件から日程を割り出せば、確率はグンと上がるはず。予測するには気象庁がホームページで公表している週間天気予報、天気図などが参考になる。
「天気図などは1週間前から見られますが、2、3日前の予測がより精度が高い」(猪熊さん)
昨年の雲海発生日を見ると11月が圧倒的。しかも今年は12月11日から来年3月19日まで竹田城跡は冬季閉鎖されてしまう。今年中に見たい人は早めの計画を。
最後に雲海に当たるためにおさえておきたいツボをまとめると…
・前日が雨で当日が晴れの日を狙うべし!
・早朝の気温が低く日中の気温との温度差があることが重要
・湿度が高く風が弱い日がベスト
・日本海側に高気圧が発生の目印
この4つのポイントがあるようだ。
※女性セブン2014年11月6日号