国内

ガソリン蒸気 給油1回あたり約30~60ml大気放出される計算

 ガソリンスタンドではツーンと鼻をつくような独特な臭いがする。この臭いの正体は揮発したガソリンが漏れ出たもの。これは「ガソリンベーパー」(ガソリン蒸気)と呼ばれ日本では規制が義務化されていない。しかしアメリカでは車に回収装置が付けられ、ヨーロッパではガソリンスタンドにある計量器(車の給油口にガソリンを入れる機械)でガソリンベーパーを回収して対策している。

 アメリカ式とヨーロッパ式では、どちらの効果が高いのか。独立行政法人「交通安全環境研究所」環境研究領域の山田裕之・主席研究員(工学博士)が解説する。

「スタンド側の対策の場合、吸収したガソリンベーパーをガソリンスタンドの地下タンクに戻す際に漏れ出す可能性があります。そのため、欧米の調査では70~80%の回収率となっています。一方、アメリカで採用されているORVR(※On-board Refueling Vapor Recovery 車搭載型燃料供給時蒸気回収装置)によるガソリンベーパーの回収率は90%台後半とされています。アメリカでは、すでに大半の車がORVR搭載になっているため、米環境保護庁(EPA)はスタンド側の対策は不要と判断しています」

 日本では、スタンド側にも、自動車側にも、対策は施されていない。そのため給油量の0.1~0.2%のガソリンベーパーが発生するとされる。スタンドでの1回あたりの平均給油量は約30リットル(総務省家計調査より)なので、その度に30~60ミリリットル分が大気に放出されていることになる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン