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アラフィフ女性 上司のセクハラ発言受けて独り居酒屋で号泣

 人気ドラマ『孤独のグルメ』(テレビ東京系)は、自営業の中年男性がさまざまな店でひとり飯を楽しむ内容だったが、ここ数年、独身世帯の増加などを背景に女性のひとり飯も増えている。

 独身ひとり暮らしで、関西地方在住のM子さん(46才)は30代半ばから広告制作会社の営業事務として働いている。ひとり飯歴は15年以上になる。

 夜遅くまで仕事に追われる毎日なので、仕事ぬきのプライベートで行くひとり飯は週末の金曜日と決めている。

 行く店は、いつも決まって自宅近所の居酒屋だ。「親父さん」と呼ぶ60代男性店主が数十年前から個人経営している。この店に行くようになったきっかけは友人だった。

「近くに住む友達がこの店にひとりで通っていた。今の会社に勤め始めた時に転職のお祝いで連れていってくれました。その際に親父さんが“ひとりのお客さんも多いよ”と言ってくれたので、通い始めました」(M子さん、以下「」内同)

 M子さんは、毎週金曜午後9時頃にのれんをくぐって店内に入ると、カウンターに座り、生ビールをまず1杯頼んで、それから食事の注文を始める。焼き魚や生姜焼き、ほうれん草のおひたしなど。予算は2000~4000円ほど。

 そんなにお酒が強いほうではないM子さんは1、2杯飲んで30分もすればほろ酔いになる。そうすると饒舌になり、日頃の愚痴を親父さんに聞いてもらう。小さな悩みから大きな悩みまで親父さんは「わかるよ」と言いながら聞いてくれる。昨年夏、M子さんはこの店で号泣してしまったことがあった。

 上司から、ある仕事について「女性の意見が聞きたい」と言われたM子さん。いろいろ考えて発言したところ、その上司から、「きみに聞いたことが間違いだったかね~。独身のアラフィフにはやっぱりわからないかも」とセクハラ発言をされたのだ。

「独身でこの年ですし、いろいろ言われることはあります。その場は笑ってやり過ごしたんですけど、本当に悔しかった…」

 その日は金曜日ではなかったが、M子さんは店に立ち寄り、ビールを1杯ぐいっと飲み干すと、ボロボロと涙がこぼれた。そんなM子さんの話を親父さんは黙って聞いてくれた。常連客の中年男性は「独身のほうが気楽だし、気にすることない」と励ましてくれた。M子さんがひとり飯の魅力を語る。

「友達、会社の同僚や後輩といった自分の生活に身近な人たちは、しがらみがあって、悩みを話しにくい。私を連れてきてくれた友達は10年ほど前に引っ越しましたし、この店で何を話しても外に漏れることはない。だからこそ、格好つけずにすべてを打ち明けられるんです」

※女性セブン2014年11月13日号

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