日々の生活の中には絶対に笑ってはいけないタイミングというものがあるが、そういう時に限って笑ってしまう人もいる。埼玉県に住む音楽教師の女性Mさん(46才)の夫(46才)は、まさにそんな笑い上戸なのだという。Mさんが、夫の酷いエピソードを告白する。
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うちのダンナは、とんでもないときに笑いが止まらなくなるんだわ。その昔、自分の妹の結婚式でのこと。神社挙式で神主さんの「かしこみ~、かしこみ~」と始まったら、もうダンナの肩が震えてるの。そして、顔を真っ白、唇を真っ赤に塗った和装の妹が、こっちをふり向いてお辞儀をしたとたんよ。
「ヒィ~、アイーンのバカ殿だぁ。ひゃひゃひゃ」って体を2つに折って、目に涙まで浮かべて。もちろん後から妹と新郎の親族に、頭を床にすりつけるようにして謝ったわよ。
それでもめでたい席ならまだいいの。最悪はお葬式。セレモニーホールの司会者が「本日、お導きくださるご導師様は真言宗…」と、独特の節回しで厳かに話しだしたところが最初の難所。
そこでどうにか踏みとどまっても、お経がヤバいんだわ。特に「ばんばんばん」と「ぎゃあてい、ぎゃあてい」がダメ。顔を真っ赤にして、体をぴくつかせて、それでもダメなときは、そっと中座するんだけど、斎場から出たとたん「ひぃーっ、ひぃーっ」って、ひきつり笑い声が式場の中まで。
それにつられて誰かが笑いだしたら、厳かもなにもあったもんじゃない。「葬式つぶしだ」って怒られて当然よ。親に「オレたちの葬式には出席するな」って言われるって、どんだけ親不孝もん?
※女性セブン2014年11月13日号