近頃キャラ弁がブームだが、受け取る子供や夫との弁当にまつわるさまざまな事件が起きているという。
埼玉県在住の主婦・A子さん(42才)の夫は公立高校の体育教師。女子バレー部顧問を務める夫は土日も部活があるため、A子さんは週末返上でお弁当作りに励んでいる。
ある金曜の夜、ペットの犬の散歩当番をめぐって夫婦で大げんかしたA子さん。「明日のお弁当なんて絶対作らない!」と心に誓ったが、怒りのあまり逆に寝つきが悪くなり、結局早朝4時から台所に立つことになった。
「あまりに腹が立ったから、息子にも持たせたことのないほど凝りに凝ったキャラ弁を作りました。くまちゃんのハンバーグやハート形にくりぬいたにんじんに星形のチーズなど、見た目は周囲がドン引きするような『キラキラ弁当』。夫が部活の昼休憩に生徒と一緒にお弁当を食べることを期待して、究極の辱めを与えてやろうと思ったんです」(A子さん)
夫の起床後、何くわぬ顔で朝食を用意し、お弁当を持たせたA子さん。「もう怒ってないんだな」と思い込んだ夫はホッとした表情で、足取りも軽く高校に向かった。A子さんは「フフフ、お弁当の中身も知らずに…」とほくそ笑みながら見送った。
その日の夕方、夫は帰宅するなりバツの悪そうな表情で「何だよ~、あの弁当は…」とつぶやいた。強面で厳格な体育教師として生徒と接してきたが、女子部員たちにお弁当をのぞかれると、それまで築き上げた威厳がガラガラと崩壊。「せんせー、ラブラブじゃん!」「意外と乙女なのねっ」と散々、茶化されたという。
「よほど恥ずかしかったらしく、結婚してから一度も謝ったことのない夫が『おれが悪かったよ。だからもうやめてくれ』とポツリ。私は『そうね』とすまし顔で返事しながら、心の中では『よっしゃー! 勝ったー!』とガッツポーズしました」(A子さん)
A子さんのように「江戸の敵を弁当で討つ」ケースは多い。
「会社のお昼休み、いつもの野郎メンバーでお昼ご飯。同僚がお弁当箱を開けたら、ご飯の上に海苔で『バカ』って書いてあった。前の日に夫婦げんかをしたそうです。同僚は無言で海苔とご飯を頬張っていました…」(33才・男性会社員)
「親子げんかの翌日、田舎育ちの母の腹いせはイナゴの佃煮弁当。1匹ずつ白米の中に突っ込むんです。本人いわく、田舎の田んぼを再現しているとのことでしたが、気持ち悪いのでやめてほしい」(28才・女性会社員)
「妻は気に入らないことがあると弁当の手を思いっきり抜きます。ある時なんて、弁当箱のなかに食パンときゅうりとマヨネーズだけ。仕方なく手できゅうりをちぎってサンドイッチにして食べました。ほとんど味はしませんでしたね」(52才・男性会社員)
※女性セブン2014年11月20日号