近頃話題の3Dプリンターに妊婦向けのユニークな製品を作成する会社も現れた。医療用3Dモデルの作成・販売などを行うファソテックの木下智裕さんが言う。
「私どもの会社はもともと3Dプリンターを医療分野で活用し、臓器や骨の模型を作る取り組みをしてきました。その一環で一般のかたたちにも3Dの先端技術を知ってもらおうとはじめたのが、胎児の顔をフィギュアにするというサービスです。提携先の病院で超音波エコーで撮影した胎児の顔を出力して立体モデルを作ります。これまで十数名のかたから依頼をいただいて作成しました。『一生の記念になった』と好評でした」
そして、その活用範囲は今や航空業界、宇宙事業にまで広がっている。
「米国の航空会社ボーイングは既に機体に使う部品の製作に3Dプリンターを採用しています。強くて壊れにくい部品を安く製作できるのが強みです。NASAでは宇宙ステーションをつくるときに活用するため開発がすすめられています。これまでは宇宙ステーションをつくるときには地上から材料を持って行き、宇宙空間で組み立てていましたが、それだと莫大な燃料費がかかってしまう。
地上から3Dデータを送り、月面で月の砂を材料に3Dプリンターで部品を出力すれば、部品を運ぶ必要がありません。また、まだ先になりますが震災や難民キャンプで活用される可能性もあります。物資を援助する際にモノを直接運ぶのではなく3Dデータを送って現地でモノを出力する。物資を実際に運ぶ手間やコストが削減されます」(3Dプリンター販売メーカー・アビー代表取締役・坂口信貴さん)
※女性セブン2014年11月27日号