ボーカル・大橋卓弥(36)とキーボードの常田真太郎(36)。ふたりが専門学校時代に結成したユニットは、結成15周年目にして初めて、自らの名前をアルバムに冠した新アルバム『スキマスイッチ』を発売する。そのプロモーション活動を中心に彼らの“日常”に密着した。
まるで熟年夫婦──これが今のスキマスイッチの関係性を表すのにピッタリな言葉かもしれない。この日、12月3日に発売する最新アルバム『スキマスイッチ』のプロモーションでCDショップやラジオ局を訪れたふたりは、常に“一緒”というわけではなかった。休憩中は互いに違う相手と雑談し、それが終わると各々が携帯をチェック。視線すら合わせないふたりを見て、思わず「不仲」の二文字が記者の頭をよぎった。
「ハハハ! 音楽雑誌で解散について聞かれたことはありますけど、まさかここで?(笑い)結成から15年でいろいろなことを経験してきました。今では何でも言い合える夫婦みたいな関係かな。いい距離感ですよ」(大橋)
同じ専門学校に通っていた常田に大橋が曲のアレンジを頼んだことがきっかけで結成してから15年。ベッタリとくっつくわけではないが、わかり合えている、そんな長く連れ添った夫婦のような関係に変わったのは2008年。人気絶頂の中、約1年にわたりソロ活動に重点を置いた時期だ。
「客観的にスキマスイッチを見られるようになって、よりふたりの共同作業という面を意識するようになりました。プライベートスタジオにこもり、ふたりで頭を悩ませ曲を作り出す。
少しでも違うと思ったら思いっきりダメ出しします。容赦ないですよ。それこそ周囲から見たらケンカかと思われそうな勢いで。でも、言いたいこと言わないとスキマスイッチの作品にならないから」(常田)
彼らのCDの作詞、作曲の欄には、スキマスイッチ、あるいはふたりの名前が並ぶ。これはふたりの曲だという意思表示だ。
ただし、ふたりの性格は真逆。大橋は独自の世界観で曲を紡ぎ上げていく天才肌で、一方の常田はさまざまな知識を武器にしたプロデューサー的な能力と行動力を持つ。趣味も違う。
大橋はゴルフやビリヤード。リフレッシュ方法は「ひとりで行きつけのバーで飲む」ことだ。常田はというと「サッカーはやるのも見るのも好き」で、お酒は飲めず、漫画、アニメ、ゲームなどのサブカルにも造詣が深い。「知るほどに深い世界が好き。明るいオタクです」と言う。
たまにある休日でも、一緒にいることはまずない。そんなふたりを結びつけているのが、唯一、音楽なのである。
「音楽に関しての共通点がメチャクチャ多い。たまたま行ったライブにシンタくんがいたなんてことがよくあります。好きな音楽のジャンルも幅広く似ていて、彼のCDラックはぼくの好みばかり」(大橋)
「音楽をやる上での環境として、卓弥との関係はものすごくいいですよ」(常田)
プロモーションで訪れたCDショップで1枚のアルバムを手にし、「これ欲しいよね!」、「うん!」とはしゃいでいたふたり。このちょうどいい関係はこれからも続いていくのだろう。
※女性セブン2014年12月11日号