プロ野球の今オフ、大型補強でストーブリーグの中心となったのがヤクルトだ。今年はロッテから成瀬善久投手、日本ハムから大引啓次内野手を獲得。成瀬には3年6億円、大引にも3年3億円をつぎ込む約10億円の補強費を出した。
過去3年間で即戦力として獲ったと思われる選手は岩村明憲、新垣渚くらいで、小川淳司前監督時代とは大きな違いだ。その理由をヤクルトOBの1人に聞くとこう答えた。
「親会社が来年、創業80周年の節目を迎える。そんな年に“定位置”の最下位では格好がつかないということだろう。さらに衣笠剛・球団社長の日大の後輩にあたる真中満・一軍打撃コーチが監督に昇格した“ご祝儀”の意味合いもある」
ヤクルトといえば、かつては「現場で女性が汗をかきながらヤクルトを売ってくれているお金が球団を支えている」という理由で、選手が高級車に乗ることを禁じられたのは球界では有名な話。それでも会社の節目となれば“清貧”とはいっていられない。
※週刊ポスト2014年12月12日号