ビジネス

【ドル円週間見通し】ギリシャ金融危機 再燃の可能性を警戒

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、2014年12月29日~2015年1月9日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週・来週(2014年12月29日-2015年1月9日)のドル・円は、米国12月の雇用統計(予想:失業率5.7%、非農業部門雇用者数:+24.0万人)、安倍第3次政権による景気対策、ギリシャ議会での大統領選挙などを見極める展開となる。

 リスク要因は、ギリシャでの解散・総選挙の可能性、イスラム国を空爆している有志連合国でのテロの可能性、地政学的リスク(ウクライナ情勢、中東情勢)の緊迫化などが想定される。ただし、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額(23%⇒40%)から、ドルの下値は限定的だと予想される。

【ギリシャ議会での第3回大統領選挙(300議席)】(29日)
 サマラス・ギリシャ首相が推すディマス前欧州委員が次期大統領に選出されるためには、180票以上が必要となる。連立与党の議席は155議席、野党は121議席、無所属は24議席となっており、第1回は160票、第2回は168票だった。

 第3回選挙でも次期大統領が選出できない場合、解散・総選挙となり、反緊縮財政を主張する急進左派連合(SYRIZA)が躍進する可能性が高いことで、ギリシャ金融危機の再燃が警戒されている。

【米国12月の雇用統計】(9日)
 米国12月の雇用統計の予想は、失業率は5.7%で11月の5.8%から低下、非農業部門雇用者数は前月比+24.0万人で、11月の+32.1万人からの増加幅の減少が見込まれている。イエレンFRB議長は、2015年4月以降の利上げ開始まで「忍耐強く」、経済指標を見極めていくと表明しており、雇用統計が大幅に改善しても、利上げ開始時期は変わらないと予想される。

【原油価格とロシアルーブル相場動向】
 原油価格は、ヌアイミ・サウジアラビア石油鉱物資源相が20ドル台に下落しても減産には踏み切らないと表明していること、供給過剰の状態が継続することが予想されていることで、下落基調が続くことが見込まれている。

 原油価格が60ドルを割り込んだ状態が続いた場合、ロシアは2015年第1四半期にリセッション(景気後退)に陥る可能性が警戒されており、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性も高まることになる。

 ロシアルーブルは、ロシア中央銀行による外貨売り介入、企業による外貨売却、ロシア政府による1兆ルーブル規模の銀行資本増強計画などで下げ渋る展開となっているものの、欧米によるロシア経済制裁、原油価格の動向次第では、予断を許せない状況が続く。

 12月29日-1月9日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
3大会連続の五輪出場
【闘病を乗り越えてパリ五輪出場決定】池江璃花子、強くなるために決断した“母の支え”との別れ
女性セブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン