国内

木村屋總本店の御曹司は幼少から銀座へ 4丁目交差点は庭

「『おじいちゃんで5代目、お父さんで6代目、きみで7代目だね』と小学校の頃からよく言われていました。同級生から面と向かって、『御曹司』と呼ばれたこともあります」

 笑顔で振り返るのは、明治2年創業の老舗パン店『木村屋總本店』の御曹司・木村周一郎さん。現在はフランスパンの店『メゾンカイザー』の代表を務めている。

 木村屋は創業145年、年商120億円を誇る老舗中の老舗。代名詞のあんぱんは創業者の木村安兵衛が世界で初めて考案し、明治天皇に献上した由緒正しい一品だ。

 木村屋6代目社長・周正さんの長男である木村さんは、御曹司の暮らしについて、「ドラマのお坊ちゃまの世界とは全然違います」と謙遜するが、その実態は一般庶民にはやっぱり驚きの連続だ。

 木村さんが生まれ育ったのは歴史情緒あふれる街・神楽坂のほど近くにある新宿区富久町。

「小さい頃から銀座のお店に遊びに行ってました。銀座4丁目の交差点周辺はぼくにとって“庭”のようなもの。今はずいぶん変わりましたけどね」(木村さん)

 祖父の自宅庭では放し飼いにしているグレートデーンやポインターが散歩不要なほど走り回り、木村さんの自宅の庭も小学生が野球できるほど広かった。

 平日は働きづめだった父親が家族と食事できる週末は美食三昧だった。寿司『なか田』、『京すし』、和食『浜作』、うなぎ『竹葉亭』、おでん『やす幸』、イタリアン『キャンティ』など、銀座や六本木の一流店に通い詰めた。

「小さい頃から“本物”に触れさせようという両親なりの教育方針でしょうね。おかげで立ち居振る舞いやテーブルマナーを幼少期に身につけました」(木村さん)

 木村さんは幼稚舎から慶應義塾に通った生粋の慶應ボーイだ。慶大法学部在学中は競技スキーに熱中した。

「大学時代は1年のうち4か月は滑ってました。夏の合宿はヨーロッパにあるアルプス氷河だったな。毎シーズン、ブーツや板を買い替えていたので、年間100万円以上かかっていたはず。でもぼく、実際にいくらかかったか知らないんですよ(苦笑)」

 大学4年時、御曹司仲間2人と出かけた海外旅行も実にスケールが大きい。ドイツやチェコ、フランスなどヨーロッパ9か国を3週間も費やして回ったのだ。

「いやいや、ぼくだけすごく貧乏旅行でしたよ(苦笑)。でも、一緒に行った友人のコネでスコットランドのセントアンドリューズにあるオールドコースホテルに宿泊し、一般旅行者は入れないクラブハウスに招待されました。実際にゴルフすることもできたけど、ホテルの窓から絶壁に近いバンカーが見えて、『こんなのできないね』と尻尾を巻いて帰りました」(木村さん)

※女性セブン2015年1月22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン