ライフ

相手を無駄に怒らせおかしな空気にさせない「後出し会話術」

 日本人には会話下手を自認する人が多い。では、どうすれば上手に話せたり、相手の心をつかめるのか。心理学者で立正大学客員教授の内藤誼人氏が、おすすめする会話術である「後出し」について解説する。

 * * *
 どう会話するのが正解か。私は「後出し会話術」をおすすめする。後出しジャンケンすれば必ず勝てるように、相手の出方をうかがい、それに合わせて「出す手」、つまり返事をすればいいのだ。いい話題がみつからなければ、無理に話などしなくていい。

 自分から無理をしてしゃべろうとするから、どんな話題にしようか、相手は楽しんでくれているかどうか気に病むことになる。下手に話しかけるより、笑みを浮かべて、何かしゃべってくれるのを待てばいいのだ。

 初対面の場合、自分から話題を切り出して逆鱗に触れてしまったり、空回りする危険性すらある。例えば、

「ご結婚されていますか?」「今、離婚調停中です……」「あ、すいません……」

 こういう失敗は、「後出し会話術」なら起こりえない。

「先月、ちょっと精神的につらいことがありましてね」「なるほど、つらいことがあったんですね」

 相手を無駄に怒らせたり、おかしな空気にならずに済む。

 話にきちんと耳を傾けるということは、「あなたという存在を認めています」という“存在の肯定”であり、「あなたは素晴らしい人だ」という“尊敬”の報酬になる。あなたが聞いてあげるという行為そのものが、相手にとっての「報酬」になるのだ。

 イリノイ州立大学のスーザン・スプレッチャーは、男女を組み合わせて1時間のデートをさせてみて、「今の相手ともう一度会いたいか?」という実験をした。すると、「もう一度会いたい」と求められる人間には、「相手の話をきちんと聞いてあげる」という特徴があることがわかった。

「後出し」で聞き役に徹するのが、話し上手になる第一歩なのだ。

 その際、自分の発話量は、「3割」くらいが相手に好感度を与えるという心理学のデータもある。相手にたくさん話をさせつつ、相槌を打ちながら時折口をはさむのが、日本人向きのコミュニケーションなのだ。

※SAPIO2015年2月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン