スポーツ

江夏ら阪神投手陣 巨人戦で「ワシらは10人相手の野球だ」

 かつて9年連続日本一を続けていた読売巨人軍に対し、ライバルとして立ちはだかったのは阪神タイガースだった。当時の阪神で主力として活躍した、俊足巧打と守備範囲の広い華麗なプレーで“牛若丸”と呼ばれた吉田義男氏が、村山実や江夏豊ら歴史に残る名投手陣を揃えながら万年2位に甘んじていた理由を語った。

 * * *
 選手個々が優れていたこともあるが、僕がその頃の巨人に感心したのは、ボール球に手を出さないことでした。その伝統を作ったのは川上(哲治)さんだと思います。「振らない」ということを、「打撃の神様」が徹底して教育したんです。

 皆、選球眼が良くて四球を選ぶ。だから打線が繋がる。巨人の3番、4番には王貞治、長嶋茂雄が座っているわけで、柴田(勲)や土井(正三)が塁に出れば打線の破壊力はより大きくなる。僕の印象だと、巨人は1番から4番までの4人で勝っていたようなものです。その4人に1試合に4度回ってくる。強いはずですわ。

 もう1つ厄介なのが審判でした。審判も人の子だから、迷った時には「王や長嶋が見逃したのならボールだ」と、上手い人に有利な判定をしてしまう。世にいう「王ボール」とか「長嶋ボール」というヤツです。

 当時の阪神には球界を代表する小山正明や村山といったピッチャーがいたし、その後には江夏豊も出てきたが、彼らは揃って「ワシらは10人を相手に野球をやらなアカン」といっていました。まァ、勝負の世界ではこれも実力のうちですから仕方ありません。

※週刊ポスト2015年2月13日号

関連記事

トピックス

STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
宗田理先生
《『ぼくらの七日間戦争』宗田理さん95歳死去》10日前、最期のインタビューで語っていたこと「戦争反対」の信念
NEWSポストセブン
焼損遺体遺棄を受けて、栃木県警の捜査一課が捜査を進めている
「両手には結束バンド、顔には粘着テープが……」「電波も届かない山奥」栃木県・全身焼損死体遺棄 第一発見者は「マネキンのようなものが燃えている」
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン