今年でデビューから43年が経つ歌手・森昌子(56才)。1986年には先輩歌手との結婚を機に引退。3人の息子を産むも、2005年に離婚し、その後芸能活動を復帰した。
現在、長男(26才)はロックバンドのボーカルとして活躍。次男は(25才)は民間企業に勤務、三男(21才)もロックバンドのボーカルとして活動中だ。
息子たちと強い絆で結ばれている森。しつけは人一倍厳しかった。一家そろってご飯を食べるときも、父親が箸をつけた後で、長男、次男、三男が順に箸を持つ。今でも弟は兄に「お兄さん、何を飲まれますか」「どうしますか」と敬語で話しかける。
「私は一人っ子で甘やかされて育ちましたから、その反動でしょうか。大人になって社会に出れば厳しい上下関係があるので、小さい頃から身につけさせておけば自然と順応できるだろうという思いがありました」(森、以下同)
すでに3人は独立し、自宅には森と実母だけが暮らしているが、しょっちゅうメールや電話で連絡を取り合っている。先日はアメリカから帰って来た長男が「インフルエンザになった」と電話してきたという。
「熱が高いというので『保冷剤をガーゼにくるんで、脇の下や足の付け根に当てなさい』と言うと、『そうだね、小さい頃よく言われたよね』と覚えていて、その通りにやったみたいなんです。そんなふうに長男は子供のときのままだなと懐かしく感じるときもあれば、大人になったなと感じるときもありますね。一緒に食事に行くときは店のセッティングからお勘定まで、すべて息子が仕切ってくれる。お勘定に行くときは決まって『ちょっとトイレに行ってくる』と言って席を立つんです。
お互いの音楽について話すことが多く、『今度の曲どう?』『アルバムではどの曲が好き?』と質問攻めにあっています。でもジャンルが違いすぎて、わからないこともしばしば。『う~ん、上から3番目の曲がよかったかな』なんて適当に答えると、『あ、母さん聴いてないでしょ』と聴いてないことがばれるんです(笑い)。
あとは『季節の変わり目だから喉は気をつけようね』とか、『栄養バランスのいい食事をしないと免疫力が落ちるわよ』とか、お互いのことを気遣っています」
「ぼくが母さんを支える」と言った言葉通り、母親への気遣いを忘れない長男。バンドは順調で、2010 年には日本武道館でワンマンライブを行い、先日発売されたニューアルバムはオリコン1位を獲得した。
息子の活躍を森はいつも見守っており、コンサートに足を運ぶこともある。実際、前述の武道館ライブで関係者席に座る森の姿が目撃されている。長男は両親に対して、ステージ上から「お父さん、お母さん、ありがとう!」と感謝のメッセージを伝えた。
「武道館は高三トリオの解散コンサートをやったくらいで、すでに息子に抜かれたと思います(笑い)。誇らしいというよりは、年々成長していることをただただ嬉しく思います。長男は私だけではなく、私の母親にも周りにも優しい。人に対する思いやりがある。女性も好きですけれど(笑い)、人が好き。それが嬉しいです」
そんな長男は、母が結婚した27才に近づきつつある。
「(結婚は)そろそろありそうですね(笑い)。でも私は孫の面倒は見ないよ、母さんには母さんの生活があるからって言ってます」
元夫とはこの10年一度も会っていないが、子供たちは盆と正月には必ず父に会いに行くという。複雑な家庭事情のなかでさまざまな葛藤を乗り越えて深まる親子の絆。長男は『Nobody’s Home』という楽曲で両親への愛情をストレートに表現している。
「離婚などで子供には悲しい思いをさせたけれど、よく道を外さないで来てくれたと思います。常々、『母さんのことは心配しないでいいから、自分のやりたいことをやりなさい』と言ってきました。それぞれがやりたいことができているようなので私も幸せです」
※女性セブン2015年3月19日号