ビジネス

スイスショック教訓 中央銀行のコメントは信じてはいけない

 2015年前半の外国為替市場における最大のトピックは、1月15日に為替相場を襲ったスイスショックだろう。ここから投資家はどのような教訓を得るべきか、為替のスペシャリスト、松田トラスト&インベストメント代表の松田哲氏が解説する。

 * * *
 スイス国立銀行(中央銀行、SNB)は1月15日、約3年間続けていた「1ユーロ=1.20スイスフランを維持するための無制限介入」(1.20スイスフランでのユーロ買い・スイスフラン売り介入)を突然やめた。スイス中銀は直前まで「無制限介入は続ける」と発表していただけに、いきなりハシゴを外すとは私も思っていなかった。

 この事態を受け、スイスフランは対ユーロで30%近く急騰し、為替市場は騒然となった。この時、スイスフラン/円も跳ね上がり、ユーロ/円など他のクロス円(米ドル以外の通貨と円の通貨ペア)は大きく下がった。

 市場に参加している投資家にしてみれば、スイスの中央銀行がそんなことをやっていいのかと不信感が募る出来事だったに違いない。ただ、中央銀行は金融政策について嘘をついてもかまわないという慣行がある。今回のスイスショックから得られる教訓は、一言でいえば、「中央銀行のコメントは信じてはいけない」ということだ。

 スイス中銀が対ユーロの上限を撤廃し、介入を突如やめたのは、翌週1月22日の欧州中央銀行(ECB)理事会で、ECBが量的緩和策の実施を発表することを察してのことだった。蓋を開けてみればその通りで、ECBは同日、2016年9月まで継続する国債買い入れ型の量的緩和の実施を決定した。
 
※マネーポスト2015年春号

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン