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米大学 中国人学生団体公認取り消し決断理由にスパイ活動等

 米ニューヨークにあるコロンビア大学当局は3月下旬、米国最大の中国人留学生組織である「コロンビア大学中国学生・学者連合会」に対して、大学の公認を取り消したと発表した。大学側はその理由については触れていない。

 これについて、中国政府が同会に財政支援をして、学内で米国内の機密情報を入手するよう指示していることなどが大学の規定に触れたとの報道もある。米政府系ラジオ「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」が報じた。

 同連合会は1990年に設立された米国最大の中国人留学生組織で、ニューヨーク州の海外留学生のうち3分の1が中国人留学生で占められていることから、華人社会ばかりでなく、同州の学術界にも一定の影響力を持っている。

 大学当局は昨年11月、同連合会が大学の規則に抵触する可能性があり、それを改善するよう求めてきた。だが、年を越して、3月に入っても改善されていないとして、突然、留学生の親睦団体としての認定を取り消すことを発表した。

 これについて、VOAは連合会関係者の話として「在米中国人留学生学者団体の多くは在外公館から資金援助を受けている。コロンビア大学の連合会も駐ニューヨーク中国総領事館から多額の資金を提供されている」と報じた。

 また、この関係者は取り消し理由について、これらの資金の出所の不透明さや、大学内での中国人留学生のスパイ活動を挙げている。

 同大には現役の米国防総省や国務省など米政府幹部が講師として招かれて、授業や講演を行っており、その際、中国人留学生がこれらの幹部と接触し、情報を詐取するケースも起こってという。

 同大で博士課程を取得した、米国在住の民主化運動指導者でジャーナリストの王軍濤氏はVOAに対して、「同連合会の指示で民主化学生らの会合に出入りして、参加者を密告するケースも増えており、その学生は強制的に帰国を余儀なくされる場合もある」などと指摘。同連合会が中国当局の傀儡組織になっていることに大学当局が憂慮していることが公認取り消しの原因の一つとの見方を示している。

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