ファッションプロデューサーの植松晃士さんが、世のオバさんに美しく生きるためにアドバイス。今回は、銀座のご婦人方のファッションを分析します。
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皆さま、ご機嫌よう! 日射しはうららか。街には花が咲き乱れ、1年でもっとも爽やかな風薫る5月。私は、毎年、この時期に数多くのファッションのトークショーをやらせていただいています。
先日は東京・銀座の某有名百貨店で、トークのテーマは“大人のおしゃれについて”。しかし、さすが銀座ですね。
街にはそれぞれ映えるファッションがあって、銀座のおしゃれといえば、やはり“華やかさと洗練”ではないでしょうか。
「コンサバで上品な、大人の余裕を感じさせるファッションで歩くと、街並みとしっくりきます」と話しつつ、あらためて会場を見渡すと、すでに実践なさっているかたのなんと多いこと。正直、驚きました。
平均年齢は60才くらい。「人前に出るときは、身なりに気を使うのは当たり前」と考えている世代ですから、それぞれエレガントな装いを凝らしていて、“素敵なご婦人”のオーラがすごいんです。
スカート率も高かったし、きれいな春色のお召し物が目に鮮やか。“枯れ木も山の賑わい”なんて失礼な言葉もありますが、どこに行くにもモノトーンの若い世代の集まりよりずっと華やか。
会場が春一色に染まっていて、気がつくと話しているこちらも、とても幸せな気持ちになりました。
そして、ここがポイントなのですが、人をこんな気分にさせることができるというのは、なんと素晴らしいことでしょう。
実際、ファッションにはとても大きなパワーがあって、装い次第で、幸せな優しいオーラを周囲に漂わせることができます。と同時に、ファッションがオブラートになって、その人の「棘」を覆い隠してくれる効果もあります。
※女性セブン2015年6月4日号