動物園や水族館が購入する動物の値段は、生息数、入手の難易度、輸送の手間などによって決まる。動物輸入卸商の白輪剛史氏がこれまでの経験、取引実績などから「動物の相場」を教えてくれた。あの動物園・水族館のスター、仕入れ値はいくらなのだろうか? ここでは爬虫類について紹介する。
「ゾウガメ=2000万円」
日本でも上野動物園とiZooの2か所にしかいない希少なカメ。怪力のゾウガメが逃げないように空輸時に頑丈な木箱を設える必要があり、箱だけで100kgになる。そのため輸送費が150万円もかかる
「ハブ=2万5000円」
沖縄で捕獲されるホンハブの卸値。有毒のため、輸送の際には都道府県の許可が必要で、その手続きコストも上乗せされる。
「イグアナ=3000円」
1990年以前は希少性があり1頭2万8000円ほどだったが、1990年代に爬虫類ペットブームが下火になると価格は暴落した。
「アナコンダ」
近年、大型の個体は減りつつあるが、入手は難しくなく、体長1mまでは1cmあたり500円ほど。だが3mを超えると1cm2000円に価格が跳ね上がる。
【注:『動物の値段 満員御礼』(白輪剛史著・角川文庫)をベースに、白輪氏や動物園関係者への取材をもとに価格を記した。取引内容によっては価格が大きく異なることがある。ワシントン条約の規制などで現在は取り引きされていない動物もあるが、過去の取引実績などをもとに記載したケースがある。輸入されることが多い動物については輸送コストを含む。金額は動物の対価として支払われるケースのほか、保護費用など寄付金の名目として支払われるものもある】
※週刊ポスト2015年6月5日号