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夏ボーナス ソニーは意外な大幅増、シャープと東芝は大幅減

「夏のボーナス90万円超え、大手、7年ぶり」(日本経済新聞・5月30日付)
「夏ボーナス好調 『リーマン』後最高に」(読売新聞・5月30日付)

 5月29日に経団連が公表した2015年夏のボーナス第1回集計を受けて、バラ色の見出しが各紙を賑わせた。集計によると、組合員平均の妥結額は前年比2.43%増の91万3106円(その時点で妥結していた63社の組合員平均)。3年連続の増加で2008年のリーマンショック以降最高の水準だという。

 本誌は各企業への独自取材で有名95社の今夏のボーナスを徹底調査した。経団連の集計で好調とされた業界は昨年比4.8%増の「電機」、3.68%増の「非鉄・金属」、5.54%増の「紙・パルプ」、そして5.97%増の「造船」だ。

 円安効果を享受した電機メーカーの代表格が日立製作所だ。2015年3月期連結決算(以下、3月期決算)で3期連続の過去最高益を記録し、ボーナスは約2万3000円アップの87万3158円となった。

 意外だったのが、ソニーの大幅アップだ。営業利益は前期比158.7%という大幅増だが、3月期決算ではスマートフォン事業の苦戦で最終損益が1259億円の赤字となり、2014年度の配当は初の無配に転落した。株主としてはすんなり納得できないかもしれない。

「会社の業績が復調し、これまでの水準に戻したという感覚です。平井一夫社長、吉田憲一郎副社長など執行役員8人は業績不振の責任を取ってボーナスを返上しており、株主からも目立った批判はありません」(ソニー広報・CSR部)

 一方で大きく減額となったのはシャープと東芝だ。3月期決算の営業利益が前年より大幅に減った不調のシャープは基本給が減額になった上に、今回のボーナス額も半減となった。

「現下の経営状況と従業員のモチベーションへの影響を踏まえ、慎重に検討した結果、1か月の賞与支給としました」(シャープ広報部)

 インフラ関連3事業で2014年3月期までの3年間で営業利益が500億円水増しされる不適切会計が発覚した東芝は、3月期決算が確定していない。そのためいまだに賞与の業績連動分が決まらず、夏のボーナスは前代未聞の「仮払い」となる。額も昨夏より大きく減る見込みだという。

「まさに青天の霹靂です。さらなる不適切会計が発覚するのではないかと されているので心配しています」(40代東芝社員)

 自動車や建設関連への供給で好調の鉄鋼3社はいずれも3万~6万円のアップだった。

※週刊ポスト2015年6月26日号

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