ビジネス

富士そば伝説のメニュー「丸ごとトマト」 ボツでも社内表彰

富士そば伝説の「ボツメニュー」

 東京を中心に展開するそばチェーン「富士そば」が、フェイスブックでの広報活動に力を入れている。ユニークな切り口の柔らかい記事もあり、読者にも人気だ。その取り組みを取材した。(取材・文=フリーライター・神田憲行)

 * * *
 フェイスブック「富士そば」のコンテンツは大きく分けて4つ。「新メニュー紹介」「新店舗及び働いている人の紹介」「外国人に富士そばを体験して貰う」「ボツ・試作品メニューの紹介」である。

「始めたのは2年前くらいです。これからはネットでの活動が大事だということで係長以上にタブレットを配り、SNSでの活動に力を入れ始めました」

 と、「富士そば」グループの中核会社「ダイタンホールディングス」顧問の川村宏さんが語る。

 当初は「新メニュー」と「人物紹介」だけだったのが、「すぐネタに行き詰まり」(担当者Aさん)、現在のように面白記事も載せるようになった。

「個人的にSNSやったことがないのに社命でやることになり、記事の書き方とかものすごく戸惑いました」(Aさん)

「いまは『いいね』とか反応があると面白いし、見ている方の反響が次のメニュー作りの参考になります」(担当者Bさん)

 たとえば「肉三昧」。これは担当者が「一度こんなもの食べたかった」とその場にあった鶏肉、牛肉、豚肉をそばにぶち込んで「試作品」とアップしたのが話題になり、正式なメニューとしてデビューした。

 逆に敗者復活戦もある。皮を剥いたトマトを丸ごとにそばに浮かべた「丸ごとトマト」は、そのビジュアルのインパクトもあって閲覧数が過去最大になり、社内で表彰を受けたとか。だが実はこれは「ボツメニュー」だった。

「ボツになった理由ですか? 端的に言って売れなかったからですよ(笑) でもフェイスブックでは人気が出たので、トマトとそばという新しい切り口をいま考えています」(担当者Cさん)

 ちなみに富士そばでは年4回季節ごとに入れ替わる全社メニューの他に、店ごとに店長オリジナルメニューが存在し、何種類のメニューが存在するのか正確にはわからないそうだ。ただあの自動券売機のボタンが54個あるので、単品商品・セットメニュー合わせて1店舗で54のアイテムを販売していることになる。品揃えは豊富である。

 その店長紹介の記事も興味深い。むかしレストランのシェフだった人がいたり、経歴・年齢・社歴もバラバラ。

「うちは新卒採用をせず、全て中途採用なんです。なので店長になった経緯もひとりとして同じような人はいないと思う」(担当者Aさん)

 退職する人が出たり新店舗がオープンするたびに人材募集をかけて、一般社員から店長になる。何年修行すれば店長というルールはないらしく、早い人は3日で(!)店長になるとか。

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン