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植松晃士「周りの人と比べていたら老化の坂道転げ落ちる」

 ファッションプロデューサーの植松晃士さんが、世のオバさんが美しく元気に生きられるようにアドバイス。今回は、老化に関するお話です。

 * * *
 先日、老化に関する恐ろしい話を聞いてしまいました。年をとると、内臓の消化・吸収の能力が衰えて、一度にたくさんお水を飲んでも、吸収できなくなってしまうんですって。

 だから熱中症を予防するには、一気に水分を補給しても駄目。少しずつ、何回にも分けてちょびちょび飲まないと、吸収されないのだとか。

 お水ですら吸収しにくい体になるなんて、本当にショックです。ということは、今まで大量に使っていた高級美容液やらクリームのほとんどは、私の体を素通りしていっただけってこと? 思わずため息をついてしまいました。

 そうはいってもメンテナンスすることに、一切の無駄はありませんよ。

 実は昨日もある会食に出席したのですが、私より年上だと信じ切っていたかたがたが、会話の中で全員年下だったと発覚したのです。しかも、かなり丁寧な敬語で話していたことから、私が皆さんの年齢を大きく誤解していたことがバレバレ。気まずいなんてもんじゃありませんよ。

 正直言って、「こんなオバちゃま、オジちゃまより私は年上なんだ…」と思うと、悲しいような嬉しいような。

 とはいえ、「見た目年齢は自分がいちばん若いと思えていたんだから、喜んでおきましょ」と、いったんは自分を納得させようとしたのですが、すぐに「いいえ、私の目標はもっと高いところにあるはず!

 身近な人と比べてニンマリしていたら、進歩が止まるどころか老化の坂道を転げ落ちるわよ」と、自分を戒めたのでした。

 結局、若さをキープするとか、美しさを追い求める行為って、いかに“自分ワールド”を持っているかにかかっているのではないかしら。

 お花を育てるように、日々、お水をあげたり、肥料をまいたりして、一生、自分をケアしていかないとね。

 幸いなことに、現代社会はアラフィフ以上の、私たち大人が最大勢力です。ますます高性能の化粧品は開発され、「年甲斐もなく」なんて言われる心配もありません。

 何才になっても少女のような心で夢を見ながら、咲き続けていきましょうよ。薔薇は薔薇として、タンポポはタンポポなりに。

 オバさん、万歳!

※女性セブン2015年7月9・16日号

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