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介護保険の負担増で公的支援の内容が変化 すべて申請が必要

 今まで介護保険サービスの利用者の自己負担は原則1割だったが、8月から年280万円以上の所得がある人は2割に引き上げられた(単身で収入が年金だけの場合)。厚労省によると利用者482万人のうち、約60万人が2割負担になるという。ケアタウン総合研究所の高室成幸・所長が語る。

「収入があっても、介護にかけられるお金は限られています。そんな中、使っていたサービスの自己負担額が倍増します。要介護レベル3で限度額近い月2万6000円を払っていた人は、8月以降は同じサービスを受けるために月5万2000円を払わなければならなくなります」

 一定の所得があって2割負担になった人も「サービスを減らすしかない」と諦める必要はない。実は、今回の介護保険の負担増の改正に伴って、併用できる「公的支援」の内容が変更された。その中には、負担増だからこそ知っておくべき制度がある。

「注意すべきは、基本的にどの公的支援も申請しなければ使えないという点です。高齢で自分で申請するのが難しいという人の場合は、家族が制度の内容を把握して、代わりに申請しましょう」(前出・高室氏)

 介護保険と組み合わせるべき公的支援サービスには、どんなものがあるのか?

●高額介護サービス費

 1か月に支払った介護保険の自己負担額が一定の上限額を超えた場合、「高額介護サービス費」を申請すれば超過分が払い戻される。基本的に世帯単位なので、複数人が介護保険を利用していれば全員の合計自己負担額が基準となる。

 今までは月3万7200円が上限だったが、今年8月から月4万4400円に引き上げられた。新しい上限額は単身なら年383万円以上、夫婦2人なら合計で年520万円以上の収入がある場合に適用される。ただし、福祉用具の購入費、特養など施設サービスの居住費、食費など(ショートステイを含む)は制度の対象外だ。

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