国内

プレミアム商品券が売れ残る市 商店街だけの使用制限も理由

 安倍政権が地方創生の目玉として発行している「プレミアム商品券」。だが、全国の地方自治体では、プレミアム商品券目当てに長蛇の列ができて熱中症で救急搬送される人が出るなどパニックも起こったほか、転売等の不正も発生した。

 ところが、地方によってはプレミアム商品券が売れ残って困っている自治体もある。栃木県日光市は子育て世帯向けの商品券を販売したが、行列どころか、購入率が5割を切っている。

「商品券12枚(1万2000円分)のうち7枚(7000円分)は大型スーパーなど市内のどの店でも使えますが、5枚は市内の商店街でしか使えないよう制限がついていました。子育て世代からは『商店街には欲しいものがない』との声がありました」(日光市商工課)

 地域振興のために市がつけた「制約」が、不人気の原因だったわけだ。プレミアム商品券に賛同する店が少なければ当然、使い勝手は悪くなる。和歌山県田辺市の主婦(48)からもこんな不満の声が上がっている。

「最初、市は3000店舗で使えるといっていたのに、実際には500店舗くらいしか使えないし、大型スーパーは適用外。友達が住む隣の市では大型スーパーでも使えるのに、不公平すぎます!」

 和歌山県古座川町では、18歳以下の子供1人当たりにつき2万5000円分の商品券を支給した。ところが、古座川町在住の主婦(60)は不満たらたらだ。

「うちみたいに18歳以下の子供がいない家庭には、何もいいことがない。年金生活のお年寄りからは『子供やなくて年寄りを大事にしろ』という苦情もあったと聞いています」

※週刊ポスト2015年9月11日号

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