大手コンビニエンスストアが仕掛ける再編劇が慌ただしい。
業界2位のローソンは中国・四国地方を中心に展開するポプラに続き、神奈川県を地盤とするスリーエフとの資本提携を模索している。また3位のファミリーマートは、4位のサークルKサンクスと経営統合に向けた調整が大詰めを迎える中、9月8日には愛知県発祥の中堅コンビニ、ココストアを買収すると正式発表した。
なぜ今、コンビニの合従連衡が進んでいるのか。その大きな要因とされているのが「飽和状態による危機感」だ。コンビニ業界の専門紙『コンビニエンスストア速報』編集長の清水俊照氏が解説する。
「コンビニは全国で5万6000店を超え、同一商圏内でいくつものコンビニが客を奪い合って日販(1店舗の1日当たりの平均売上高)を落とすところが増えてきました。そこで、他チェーンと一緒になって商品力を高めなければ今後の成長は見込めないと、大手といえどもスケールメリットをさらに追い求める戦略に出ているのです」
しかし、仮に地方で独自の進化を遂げてきた中堅コンビニがすべてローソンやファミマに呑み込まれてしまえば、「また、あのコンビニになった」と消費者に飽きられ、かえって商品力の向上に繋がらないのでは? とも思えるが、前出の清水氏はあっさりと否定する。
「たとえば同じ質のPB(自主企画)商品を作ろうと思えば、100店舗よりも1000店舗、1000店舗よりも1万店舗のチェーンのほうがメーカーに対する購買力や信用力が高いので、価格を安くすることができます。
また、以前であればココストアのように地域に根差した経営や品揃えで売り上げを伸ばすこともできましたが、最近は大手のコンビニもマーチャンダイジングを細分化させています。レジ前でその土地の特産品を売ったり、PBの味付けを地域によって変えたりしているので、規模の小さなコンビニが独自色を出して生き残ることさえ難しくなってきたのです」
やはり体力に勝る大手コンビニが品質やサービス競争で寡占化していくのは自然の流れということか。