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ジュニアNISA 教育資金贈与信託と同等で相続税対策受け皿に

 今年から来年にかけて、証券税制の改正が相次ぐ予定だ。ここではNISA(少額貯蓄非課税制度)について解説しよう。2014年にスタートしたばかりだが、すでに今年から一部制度が変更されている。

 2014年中は、一度NISA口座を開設すると2017年まで金融機関の変更が不可能だった。しかし、2015年からは、売買をしていなければ、年1回だけ金融機関の変更が可能となった。銀行で口座開設したが株式投資をしたくなった人、あるいは、証券会社に開設したが投資信託や外国株のラインナップに不満がある人などは、積極的に変更を検討すべきだろう。

 ただし、2014年にNISAで購入した株や投資信託は新しい口座へ移管ができない。非課税期間の最長5年間延長(ロールオーバー)は、同一金融機関内に限られるので、口座変更はその延長ができなくなる点に注意したい。

 2016年1月からは、さらに大きく制度が改正される。年間非課税枠が現行の100万円から120万円に拡大されることに加え、『ジュニアNISA』が創設される。特に、ジュニアNISAについては、相続税対策の観点から注目されている。贈与税の暦年贈与と組み合わせることで、子や孫への効率的な資産移転をすることができるのだ。

 暦年贈与とは、1月1日から12月31日までの間に贈与を受けた金額が、基礎控除額である110万円以下なら、贈与税は非課税となる制度。親が子や孫に暦年贈与をした場合、親は生前に相続税の課税対象財産を減らすことができるため、相続税を節税する有力な手段となっている。そして、この暦年贈与をした資金をジュニアNISAで運用すれば、教育資金などを効率的に形成することができるというわけだ。

 実は、贈与税の特例措置として、孫の教育資金を1500万円まで非課税で贈与できる「教育資金の一括贈与に係る非課税措置」という制度がある。相続税対策として“人気”があるが、事実上、信託銀行の教育資金贈与信託でしか利用できない。ジュニアNISAは、教育資金贈与信託とほぼ同等の機能を持つ制度として利用することができるため、相続税対策の受け皿として、銀行・証券業界の期待は高い。

文/松岡賢治(ファイナンシャルプランナー)

※マネーポスト2015年秋号

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