《史上最大の衝撃》
《勇敢なる桜の戦士たちは、試合開始から終了までセンセーショナルだった》
イギリスの新聞でもそう絶賛されたのは、9月19日に行われたラグビーのワールドカップ(W杯、開催地イングランド)の日本対南アフリカの試合だ。日本が「世紀の大金星」をあげたこの一戦は世のラグビーファンのみならず、女性たちのハートもガッチリ掴んだ。
予選リーグ第2戦のスコットランド戦には完敗したものの、スポーツショップでは桜のマークのついた赤白の代表ユニフォームが試合前の10倍というペースで売れていて、「“ラガール”と呼ばれるラグビーファンの女性が急に増えて、応援グッズも飛ぶように売れている」(ショップ店員)という。
ラグビーに詳しいスポーツ・ジャーナリストの藤島大氏が言う。
「南アはW杯で最多2度の優勝を誇るチャンピオンチームです。それを予選リーグでわずか1勝しかしたことのない日本が破った。英メディアでは“ラグビー史上”ではなく、“スポーツ史上”最大の番狂わせとも報じられました」
その勝利に大きく貢献した立役者が、チームの副主将である五郎丸歩選手(29才)だ。日本の全得点の34点のうち24点を叩き出す大活躍だった。
「小学生と1才になる2人の男の子の父親でもあります。でも、この4年間は日本代表の厳しい練習にすべてを捧げてきた。1年前、北米遠征中に下の子が生まれましたが、顔を見たのは生まれて1週間後だったそうです」(ラグビー協会関係者)
試合後、五郎丸は「(勝利は)必然です。ラグビーに奇跡なんかない」と言い切り、こう続けた。
「4年前から歴史を変えようと始まったチーム。80分通して勝てると選手は信じ切っていた」
涙を流すわけでなく、自らが積み重ねたものを確かめるように語る五郎丸のプレーも、インタビューに答える姿もブレることがない。
※女性セブン2015年10月8日号